飛行機ってえのはどうしてああもいいかたちばかりなんでしょう。「魅せる工業デザイン」という要素はゼロなのに。
現物や写真はもちろんですが、絵で観ると更にグッとくることがあります。
12月3日(金)より林紀宏さんという航空イラストレーターの個展が都内で開催されます。
清澄白河のBooks&Cafe「ドレッドノート」にて・12月3日(金)〜12日(日)
場所は清澄白河にあるBooks&Cafe「ドレッドノート」での開催。
美味しいコーヒーのカフェがたくさんある街です。
- ドレッドノートの開店時間等はこちら
- 場所はこちら 〒135-0023 東京都江東区平野2丁目3−2
- 詳細の開催時間は12月3日(金)〜12月12日(日)
いわゆる画廊ではありませんから気軽な雰囲気と思われます。
なお期間中は原画販売も行われるとのこと
飛行機設計に「美しく魅せるデザイン」はない・どうしてわかりやすくかっこいいのか
繰り返しますが(ここは何度でも)飛行機を設計する時、美しく魅せるデザインという作業は皆無です。
速く、高く飛ぶ
それだけしか考えられていません。
ただそれだけの理由でそろいもそろってなんでああもカッコよくなるのか。
軍用機だけじゃない、飛行機全てがです。
「形態は機能に従う」なんて愛想のない言い方はしたくないぐらいどれも見事であります。
飛んでよし、置いて(つまり駐機して)よし。つまり「いいなんとか」のような。
いろいろまずいんでここは伏せますが民間機の代名詞は「she」であります。
写真とは違う飛行機の絵・小池繁夫の絵は趣(おもむき)で魅せる
多分タミヤのプラモデルで育ったせいでしょう、飛行機の絵ってやつは一種独特。
頭の中で飛行機が飛び始めたらアタクシとしてはいい絵です。
飛行機プラモのボックスアートは「説明要らず」で想像が膨らむ
むろんマイナーかもしれない、少なくとも「芸術新潮」や「ART collectors」向きでなさそう。
つまりアタシ向きであります。なんの説明もなく「空を切り裂く動き」を感じる。
子供がカッコいいと感じるのですから。
小池繁夫氏のボックスアートは特に大好き、今でも時々見たくなります。
飛んでいる、というより「空中に浮いている」というあの感触は写真にはない独特の感触です。
残念なことに絶版のためしばらくは中古かネットで我慢。
小池繁夫氏は引退されたそうですが、公式ウェブサイトで作品を確認できます。
ボックスアートだけでなく、飛行機や船の分野は内外で実力派が多く画力がある方が居られる。
たとえば菅野泰紀氏。
以下の絵は全て「鉛筆」で描かれています。観るほどに驚きがある。
こういう作品群が手に入りづらいと、電子化してくれてデカいiPadで観られたら最高なのにとついつい思ってしまう。
説明なしで感じられるものは「いい絵」「いい音楽」
音楽がそうですが(反対する人もおられますが)説明なしにいきなり聴いていきなりビリビリくるものはいいものだと思うことにしています。
アタシの親父は戦中派で大のビートルズ嫌いでしたが、最近「All Things Must Pass」を聴いていたら( I’d Have You Anytime)
「随分いい曲だな」って
ジョージハリスンについて説明なんてヤボはしません、一緒に聴く。
知らないほうがかえっていい時もある。
オーディオを選ぶときもそんないいかげんさです。
ちょい聴きで「おっ」というものを買っちゃう。
ただ後で後悔することもそんなになかったのでまあこれでいいかと。
たまに大外しもあるのですがそれも含めて。
今までよかった絵もだいたいそうであります。パッと見て立ち止まる(か、ページそのまま)でしばらく見ている。
その点ボックスアートも似ております。子供がみるものかもしれませんが、あの箱の横に書いてある内容説明を読むようになったのはだいぶ後です。
あの箱絵だけで店先に30分ぐらい居座ったでしょ。
頭の中でプロペラ機やジェットがバンバン飛び回るから。カッコよく「飛んでくれないと」買えません。
説明なしにそれだけの時間を空想にひたらせるとはなかなかの画力ではないかと。
ボックスアートと比べるのは林紀宏氏のご希望にそうものかどうかわかりませんが、さしてセンスのないものからの賛辞とご理解頂けたら。
林紀宏氏のイラストは「空中に浮かぶ雰囲気」がいい
林紀宏氏のイラストを知ったのは実はTwitterです。空中に浮かぶ様子がとてもいいなあとしばらく眺めさせていただきました。
ハンドレページ ヴィクターなんていかにも英国人の思いつきそうなヘンなデザイン。
こういう飛行機をファンタスティックに描いていただけるのは「ちょい前英国プロダクツ好き」としてはとても嬉しい。
現地で他の絵を見せていただくのが楽しみであります。