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Fyne Audio F500・タンノイ直伝の職人スピーカー

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Sonus FaberのLumina1は間違いなくクラストップですが唯一無二ではない。もう1機種だけよく似たものがあります。
Fyne AudioのF500です。
本気で取り組んでいるスピーカーのおすすめといえば多分この2機種でありましょう。
Lumina1がパオロの漢気ならFyne Audio F500は英国の職人カタギを買うスピーカー。元タンノイであります。

かいつまんで音のことを述べれば、Lumina1よりも人の声がグッと立ちます。ソナスよりこのあたりの彫りを深く聴きたければこれです。

Via “F500″(Fyne Audio Official Website)
https://www.fyneaudio.com/product/f500/

Fyne Audio F500・74年間の伝統スキルがベースの同軸ユニット

F500は同軸スピーカーユニット、つまりウーファーユニット中央に高域コンプレッションドライバーとホーンがついております。

Via “MEET THE F500 SERIES”(Fyne Audio Official Website)
https://www.fyneaudio.com/f500-series/

同軸ユニットは2つのスピーカーの間にビシっと虚像が浮かぶ。低音から高音まで1箇所から出てくるからです、しかもセンシティブな高域をホーンで再生します。
ここはもう方式論どおりの良さです、他はどうしても真似できない。
Lumina1もこればかりは出ません。

設計者は元タンノイ。英国スピーカーの正統、しかも1947年から同軸ユニット(デュアルコンセントリックドライバー)を造り続けた人たちの末裔です。

同軸設計は経験がものを言うらしく新規で作ったメーカーは大体撤退しています。
KEFが有名ですが1988年からの取り組みで(それだって長いですが)しかも組み込みはツィーター、つまり振動板と磁気回路だけの構成です。

Fyne Audioは本格的なホーンユニットを造り込むのでかなりスペース制約があります。
この方式は磁気回路などにノウハウがありますがF500は完全にフォローしています。
分かってる人の仕事です。

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Fyne Audioは物理特性と年季の両方が入った設計

要所で感じるのはベテランの眼配りです、カタログ映えしないことをいろいろやってます。

F500は箱の奥行きをドンと取った

まず大前提として、箱の奥行きを深く取っています。この機種だけでなくこの会社のプロダクト全般です。
いきなり地味な部分で恐縮ですが目がいったものですから。箱の形状は実は結構大きな要素だったりします。いいスピーカーは大体箱の奥行きが深いです。

かたちが違っても容積が同じなら測定しても差は出ません、しかしスピーカーはユニットの口径(低音ユニット)に対して箱、つまりエンクロージャーの奥行きが深いほどステレオ感が深く広く拡がります。
理論上は同じ容積なら形はあまり関係がないはずなのですが、実際には幅や高さでハコの大きさを稼ぐとあんまり良いことがない。

F500はその点他社と比べてかなり深々(318mm)しております。

同軸ユニットであることも理由です、磁気回路の設計に相当の制約があるためです。ウーファーユニットの真ん中に高域ホーン/ドライバーを通すから単体ウーファーより駆動が難しい。

一言でいえばヨワい低音になりやすい、元々箱の形状の影響を受けやすいのです。
カタログに載りませんがこういう項目凄く大事です、奥行きデカいと取り敢えず安心です。さすが元タンノイであります。

ユニットフレームはアルミダイキャスト・Lumina1もそう

なおそのユニットですがフレームはアルミダイキャストです。見えないので鉄板のプレスで済ませることが多い部分であります。

鉄板プレスと違いダイキャストはフレーム剛性が高い、特性データは変わりませんが音はかなり変わります。この価格で採用することは割とハードです。

家電とかデジタルガジェットだと差がデータに現れない場合コストの安いほうを採用するんですが、オーディオってどういう会話をしているんでしょう。
業界が違うとはいえこういうところは不思議です。

なおまさかと思って調べたらLumina1も同じでした、ダイキャスト。
詳細はカタログの3ページで確認できます、「高剛性バスケット」というのがそれです。ご興味あれば以下よりご覧ください。

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下向きバスレフポートでもクリアな低音

これは最上級のF1-10もそうですがFyne Audioはエンクロージャー底部から低音を放射します、うっかりやると失敗する方式です。

理論的にはスピーカーの内容積を効率良く利用できますし、フロア置きタイプならば床のおかげで低音を伸ばせるはずなのですが、音がボヤけやすい。
理由は分かりません。
ピュアオーディオでは「カブる」と申します。繰り返しますが理論的には低音が伸びるはずです。

F500で感心するのはその低音がクリアであることです、伸びているのに反応も速い。
Basstraxというディフェーザーが成功している、というよりタンノイ以来の低音コントロールの経験則がたっぷりありそうです。
低音、特に箱の共振処理は未だ経験とセンスですから。

同軸スピーカーの開発史は英国流そのもの

同軸スピーカーなんて見るだけで嬉しくなる。いつまでも諦めないのは英国ならではです。
タンノイのおかげで珍しくはありませんが、他はKEFぐらい。洒落たイメージが似合わないほどここもあきらめない。
しかしそのKEFでさえホーンなんて手をつけない。

普通に考えたら低域と高域は分けたほうがユニット単体としての設計は最適化できます。
マグネットもボイスコイルも同じスペースで共有するのですから。
そこが他社はあまり手を出さなかった理由だと思いますが、タンノイは全帯域をピンポイントから出力することが理想だと信じたわけです。

もしかしたら思い込みだったかもしれません。
繰り返しますが他社はやっていない。

でもそこは我らが英国。こうと決めたらやり続ける。遂にはモノにします。
本当のところは分かりませんが個人的には実は思い込みだったというほうがはるかに楽しい。
英国得意の執念パワーが炸裂したプロダクトだからです。

Fyne Audioの開発は現在7人らしいのですがタンノイ出身そしてWhafedaleとMission関係者とのことです、かなり濃いめです。
確実に先輩技術者との会話を通じて大事なことを教わったと思います。英国はマニュアル化が進んでいるなんて聞いたことがありません。

なおタンノイ流の一子相伝はドップリ英国が入っています。
実は同社は1974年に火事に遭って会社がムチャクチャになっています。
技術資料も生産設備も全部パー。デジタルデータはない時代ですから本当に何も無くなった。

そのため米国企業に買収されます(ハーマン・JBLの親会社)、買収はタンノイのブランドが目的でつくりにはさほど興味がなかったらしいです。
普通ならここで終わります。

しかし技術者と職人は無事だった、そうしたら紆余曲折を経てなんとなく製品は元に戻ってしまった(仕様は変わりましたが)。
極論ですがタンノイでは必要なことは人的資産が身体で覚えていたためです。

なお接角元に戻ったんだから新技術も試してはと思うのですが、また同軸ユニットに戻って延々改良し続けた。
その末裔がFyne Audioです(タンノイもきちんと活動していますが)。
本社はスコットランド(グラスゴー)、こりゃ他人の言うこと聞かないね。

同社は今かなりセールス好調とこれまた嬉しい。

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漢気のLumina1か英国流執念のF500か

この分野、ペア10万円くらいのカテゴリーは長らくB&Wが安定で、逆に言えばわかりきっているだけにちょっと面白くなかった。
モニターオーディオとかDALIも悪くありませんが個人的には大同小異でした。KEFは違うな、ぐらいです。
偶然ですが同時期に2社が全く違った手法でぐいと上げてきました。俄然気になります。

Via “Sonus faber official Website”
https://www.sonusfaber.com/prodotti/lumina-i/

成り立ちも含めキャラクターははっきり独自。オーディオはブランドの歴史がわりとはっきり音にでます。
特にこの2つ、似たものはないです。

Via “F500″(Fyne Audio Official Website)
https://www.fyneaudio.com/product/f500/

なお解像度についてはアンプ・プレーヤーで変わるという印象がありました。かなりの高価格帯まで受け止めるパフォーマンスがあります。

漢気「Lumina1」と英国流執念の「F500」。
どっちもありゃいうことありませんが。

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