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オンキョーGS-1(GrandSeptor)というもの

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ヤフオクを見ていて驚いた。

オンキョーGS-1の中古は今100万円以上するんですね、たまげた。
これはですねえ、映画でいえば問題作とか異色作のカテゴリーです。ユニークの一言。

2年近く格闘したスピーカーです、放り出した。
アタシじゃ鳴らせなかった、底無しにアンプのパワーを要求してきました。

GrandSeptor GS-1・傷ありで100万円越えにたまげた

そこそこのコンディションで現在100万円を超えます。売り出しは200万でしたから半値といやそうですが、何せ今から25年前で美品が70万でした。

大変なものです、上がっとる。多分傷無しなら130万ぐらい行くのかしら。

ヤフオク!
ヤフオク!は、誰でも簡単に売り買いが楽しめる、日本最大のネットオークションサイトです。圧倒的な商品数を誇るヤフオク!で、落札・出品してみませんか?補償制度もあります。

少なくともアタクシには100万って結構な金額です。

例えばもう少し頑張るとFranco Serblinの「Accordo」いけますし、中古なら美品でもおつりがきます。
ソナスファベールならどうでしょう。フランコセルブリンの頃の「Cremona」なんて余裕でいける予算です。

いやはや驚いた。しかもこれ天板(ガラス)が欠けている。下取りするときアタクシもいわれましたがこの天板が欠けやすく、査定が下がりました。

量産型の全帯域フロントホーンスピーカー・古今東西に例がない

このスピーカーは何が凄いのか

  1. 低音まで含めて全てをオールホーンで再生
  2. 国産スピーカーの中でも最高にコストが掛かっている(ドライバー以外)

多分ご興味は1番でしょうけれど、まずは全体の技術仕様。アタシもワクワクした部分です。

低音までフロントホーンで再生。

映画館向け特注を別にすれば古今東西量産品でこういうアプローチは知る限りオンキョーだけです。

この辺りの野心的なチャレンジが未だに魅力なわけです。

しかも最低域は20Hz、数値だけ見るとちょっと嘘のような性能ですが本当にここまで再生しました。
でも20Hzを再生するホーンは本来長さが数メートルなきゃあいけない。一方でGS-1の低音ホーンは数十cmです。

絶望的な感度の低さが音を決めた

ではどうしたのか。わずかに出ている低音のレベルまで中高域を減衰させた。

数十cmの長さのホーンでも低音は出ています、ただし中高域と比べると聞こえないぐらい低いレベルで。そこでネットワークに補正回路を入れて中高域を低音のレベルまで下げた。これによって上から下まで同じレベルで揃えました。

ただしとんでもなく感度の低いスピーカーになった。
そしてネットワークが大掛かりな構成に、特に抵抗をたくさん入れましたがこれが全部セメント抵抗。

音としてはここでほとんど決まっていたようです。

なお後日ホーン型のスーパーツィーターを足そうとしたら懇意のショップに止められました。リボンツィーターを勧められた。ホーンツィーターの音圧(大体100dB)を12dBも落とすなんて使い方はやめなさいと。

次に国産最高の高コストとは。
開発費も掛かっているし、材料も加工もほとんど一点モノの造りです。数が出ませんから手作りだったと思います。
ホーン形状は当時のデジタル解析みたいなことをした理論上の最適解。ホーンっぽい響きがありません。
更に様々な素材を重ね合わせて響きを消そうとしています。主にFRPですが、制振用のゲルを塗ったりして何層にも異種素材を貼り合わせています。

エンクロージャーは基本米松の単板(!)ですが、これも鉄板やら樹脂を張り合わせて最後はウォールナットの突板仕上げ。

あと、これは購入者全員向けだったか定かでないのですが、Onkyoのインストールサービスがあったようです、これもコストのうちでしょう。
数時間掛かる作業だったようで行き帰りも含めれば丸一日専門員を派遣、いくら昭和でも2台で200万ならもうけは確実に吹っ飛びます。

良い音とは、良いスピーカーとは? (別冊ステレオサウンド)
■オーディオ機器の音質やデザイン、操作性などについて、どういう言葉で説明すれば読者に正確に伝えられるか。そのことに常々腐心し、創意工夫をこらしながら文章を綴ってこられた瀬川冬樹氏。そのために、いろいろな形容詞を駆使して執筆されたことから、「オーディオの詩人」とも称された。そうした氏の、『ステレオサウンド』創刊号から、絶...

ヘッドフォンのような鳴り方・どうやっても変わらない(2年間)

ではどんな音だったのかといえば。

その前に申し上げますと、アタシはこのブログでは音質の話はあまりしないようにしています、主観なので。10人聴いたら6人は同じ感想になるぐらいの明らかな特徴以外はなるべく避けたい。
そこでGS-1ですが

  • スピーカーの外側には1ミリも音が拡がらない(ただし音は克明)
  • モンスター級のパワーアンプでもまだ駆動しきれない

音が拡がらないってえのはこういうことです。

以下はきちんと設計されていて(つまり最近のモデルは全て)定石通りのセッティングなら普通スピーカーってこういう鳴り方をします。

普通のスピーカーの鳴り方

GS-1はこうなります。虚像が立つのはあくまで左右スピーカーの間だけ。
解像度は高く奥行きも出るのですが、あたかもヘッドフォンで聴いているような感じであります。

GS-1の鳴り方

これについては相当に悩みました。ホーンスピーカーですからセッティングがまずいのではないかと思いましたがどうにも変わらない。

努力はしました、置き場所のベストポイントを探してスピーカーの置き位置がついに部屋を一周しましたからね。グルグルと。
言っちゃあなんですがこのスピーカーは1本あたり117kgあるんですよ。天板ガラスですから割るんじゃないかとヒヤヒヤしながら。床は当然傷だらけです。

最後こういう配置になりました、逆オルソン形と言いましてこんなことやってる人まずいません。

スピーカーの外側に拡がらないものだから、右/左chをくっつけて外側に広げる置き方。ほとんどモノラルです。

このあたりでGS-1はこういう音の出方なんだと気づきました。
遅まきながら自分には合わないスピーカーを買ってしまったことがわかった。

菅野沖彦のレコード演奏家訪問 (別冊ステレオサウンド)
高価で高性能なカメラを使えば、誰でも素晴らしい写真が撮れるわけではない。 オーディオ機器も同様で、充分に使いこなしてこそ“良い音"で再生できる。 つまりレコードをどう再生するかが大切で、そういう主体的かつ能動的なレコード愛好家を「レコード演奏家」と呼ぶ。 本別冊では、菅野沖彦氏が訪問した、そうした真の「レコード演奏家」...

とんでもないアンプ喰い・少々デカいぐらいじゃ鳴らない(A-10だけ不思議と鳴った)

アンプはどうだったか。もう送り出しがどうとか以前でした。そのぐらい鳴らない。
その時のアンプ一覧です。

  • Aquphase M−100(アキュフェーズでオーバーホール済み)
  • YAMAHA MX-10000
  • NEC A-10X(2台・BTLモノラル)
  • Authentic A-10XX(ステレオ)

プリアンプは

  • Dennesen JC-80
  • Spectral DC-12。
  • Pioneer C-05

プリよりパワーアンプを先に書いたのはもう音色の話をするレベルになかったからです。初めての経験でした。

端的に言えばM−100は500W(8Ω)のモノーラルでしたが、それでも無理でした。更にデカいアンプをつけたらもっと変わるんだと簡単に直感できる音です。

MX-10000となると多くのひとにとって役不足レベルの音になります、明らかに力が足りなかった。

ちょっとびっくりしたのは

  • 高域:MX-10000
  • 低域:Authentic A-10XX

にするとまあまあ聴けたことです。

逆ではありません、A-10XXを低域に充てる。話はそれますがなんと言いますかA-10ファンがいるのはわかります。音色はあまり好きじゃなかったですが、アタクシもⅢ、Ⅳ、X、XXと4代使いました。

なお同系統ですがA-10Xを2台を使ったBTLモノラルはそこそこいい感じでした。音楽によってはM-100より弾んだ音がしておりました。

ただあくまで4種類の中で比較しての話です。絶対値としてはスピーカーに対してパワーというか、もう電力が足りないというしかなかった。

M-100なんかは電源入れると部屋の灯りが一瞬変化するのがわかるぐらい電気を喰うのに満足できない。
この後どうしていいかもうわからなかった。

こうなったのは仕様として低感度(88dB)すぎることと、そしてあまりにネットワーク回路が複雑すぎたからです。

素子はよくなかった、減衰させるためのアッテネーターは普通にセメント抵抗でしたから。本来100dB近くある高域を88dBまで落とすのですからそれしかありません。

なお満足しなかった方は多いようでこのネットワーク部分を改造した個体はかなり見ました。天板を外すとすぐ見えるのでいじりやすかった。

ジャズ喫茶ベイシー読本 BASIE 50th Anniversary (別冊ステレオサウンド)
今年、開店50周年を迎えた岩手県一関市にあるジャズ喫茶「ベイシー」。オーディオマニアの心情である“レコードを演奏する"という言葉の通り、店主の菅原正二氏は、店内に据え付けられたアメリカJBL社黄金期の最高級スピーカーユニットを中心とする大規模なオーディオ装置を駆使して、LPレコードから生きた音楽を蘇らせることに情熱を注...

なんだかネガティブですがまあ仕方ない、ものはついでで。

ホーンとエンクロージャーは一点モノなのにスピーカーユニットとドライバーはなぜか普通。

ここはうかつなことに買った当時アタクシもその意識がございませんでした。

JBLが既にアルニコからフェライトマグネットに変わった時分で質が落ちたと言われていましたが、それと比べてすらいいと言えなかった。
ホーンはドライバーの質がもろに出ますからここはいいか悪いかしかない。

当時オンキョーはOEMを含めてスピーカーユニットを大量に生産していましたから、材料に悩む会社ではありません。設計に知見がなかった、そういうしかない。

いまだになぜユニットだけがなぜこういうことになったのか不思議です。
あれほど開発に手間をかけながら。

まさかExclusiveクラスは無理でしょうが、もう少し何か特別なユニットがなかったかと。ドライバーとウーファーのマグネットがアルニコだったらその後はだいぶ違ったかもしれません。
かなり長く売ったモデルだったからです、しかし口の端に登らなくなった。

評論家の故 山中敬三氏が語っていた話ですが、90年台中期ぐらいまでは海外のエンジニアにも特性が同じならドライバーの造りは問題ではないという人が居たそうで、話が合わなくて困ると。

日本だけがよろしくなかったわけではない。
測定至上主義のGS-1が80年代末にこうなったのはわからぬではありません。

GS-1のセッティングは途方もなく難しい・メーカーでも手を焼いていた

前に申し上げましたとおり、どうしようもなくて投げ出したというのが正直なところです。音が拡がってくれれば見込みはあったのですがどうにもできなかった。

後釜としてDIATONEのDS-5000に行きましたが落差が激しかった。とんでもなく普通に思えました、DS-5000がはっきり上でした。そのぐらい差があった。

なおGS-1のセッティングについてはある老舗ショップで詳しく教えてもらったことがあります。

発売時に開発者がショップにデモに来たものの、数時間掛けてもセッティングを追い込みきれず時間切れで店としても困ったとか。

販売店筋では「正直あまり扱いたくないスピーカーだった」そうです。

多分時間を掛ければ(とはいって2年これにかかりきりでしたが)目の醒めるような音がするのかもしれない。
ただケーブルとかインシュレーターを選んだぐらいではいうことを聞かない。
そんなレベルの話ではないのです、部屋に合わせてどれだけ追い込めるか。

アタシは縁がなかった、独特のものを感じましたが音を出しきれなかった。
今中古の人気を見るにつけオーディオはメンタルもパワーが必要だよなあと、痛感する訳です。

菅野沖彦著作集 上巻 (別冊ステレオサウンド)
菅野沖彦氏は、季刊『ステレオサウンド』誌の創刊2号(1967年)以来、四十数年の長きにわたり、オーディオ評論の第一人者として健筆を揮ってこられた。合計すれば数千ページになるはずだが、その中から個別の試聴リポート以外の、特に菅野沖彦氏ならではの視点から考察・執筆された記事を厳選し、集大成した別冊が、この『菅野沖彦著作集』...
菅野沖彦著作集〈下巻〉 (別冊ステレオサウンド)
菅野沖彦氏は、季刊『ステレオサウンド』誌の創刊2号(1967年)以来、四十数年の長きにわたり、オーディオ評論の第一人者として健筆をふるってこられた。合計すれば数千ページになるはずだが、その中から個別の試聴リポート以外の、特に菅野沖彦氏ならではの視点から考察・執筆された記事を厳選し、集大成した別冊が、この『菅野沖彦著作集...
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