オーディオはUsedの比率が高くなります、特にスピーカーとプリアンプはその傾向が強い。はっきり現在の製品が超えられない美点を持ったものがあります。
ヘッドフォンはどうでしょうか、B&WにP9 Signatureの後継は無く、似たコンセプトも他社に無いため中古をお求めの方もおられるかと。なにかのご参考になれば。
B&W P9 Signasture・中古のチェックポイント・「正規品の証明」と「ヘッドバンド」
D&Mホールディングズの正規保証書があること、そしてヘッドバンドの接着がきちんとしているもの。
これがB&W P9 Signastureの中古選びには必須条件です。
もう少し詳しくポイントは以下であります。
(必須条件)
- 正規保証書があること(後述しますがこれは絶対です)
- ヘッドバンドの接合部に亀裂がないこと
- オークション等個人売買での入手は避ける
- 傷や使用感が少ない、綺麗に使われているもの(言わずもがなですが)
(あればベスト)
- 製品箱
- 中古ショップが有償の保証サービスを行なっていること
- 付属品一式
B&Wのレザー・クローム世代はニセモノ多数
P9 SignatureによらずBowers and Wilkinsのヘッドフォン、特にこの世代は偽物が多く出回ったシリーズです。
メジャーな中古販売店でもたまに流れてくるとので要注意であります。
またこの点からB&Wのヘッドフォン製品の中古をオークションやメルカリ等の個人売買で買うことは避けるべきだと思います。
出品者が知らずに販売してしまう可能性大であるからです。
この模造品といいますか偽物問題は当時かなり話題でした。
Bowers and Wilkinsのヘッドフォンは日本以上に海外で極めて人気が高かったためです。ブランド品のコピーを作るノリで作ってたような感じがありました。
とにかく並行輸入品は怖くて買えなかった。同じ理由で米Amazonなどからの個人輸入も全く安心で来ませんでした。
偽物は本体のホンモノ度が高い・箱は一目でインチキだったけど
今ともなると怖いのは模倣品の出来がある程度ホンモノに近かったということです。本物を並べて比べればわかるレベルでしたが単体だとちょっと判断が難しい。
中古ともなるとある程度の使用感があり外観からの見極めはより難しいと思います。
当時は製品箱が正規とかなり違いフェイク度が高かったために判断出来たのですが、中古となると箱無しが普通のためこの部分で真偽が区別できない。
結局「正規輸入品」、もっといえば
D&Mホールディングズを経由していると証明できる書類(正規保証書)があるもの
これ以外は偽物かどうかを判断できない、つまり状態が良い中古でも購入を見送るしかないということです。
そのぐらいコピー品は多いと思ったほうがいい。なお音を聴いて確かめるという話を見たことがありますがアテになるんでしょうか。
繰り返しますが偽物を掴まされないためには
- D&M発行の正規保証書は必須
- 製品の箱があればなお可(きれいなデザインのため箱付きで出てくるものがあります)
もし保証書を偽造されたら・・・こりゃもうどうしようもありません。ただ流石に聞いたことがありませんけど。
比較用として以下に正規保証書の画像をUP致しましたので中古についている保証書の書式と比べて頂ければ、シリアルNoは7桁です。ハイフン等はありません。
D&Mホールディングズに現品シリアルNoの管理情報はない
ならば本体のシリアルNoをD&Mホールディングズに問い合わせればいいじゃないか、という方がおられますがある理由により無理です。
同社では本体のシリアルNoを把握していません。データはありません。
D&M発行の正規保証書にあるシリアルは本体に刻印のものとは全く別です。二つを関連づけたデータベースは無いとのこと。
私の保有する個体でいえば本体記載のシリアルはこれ
そして保証書はこれ。数値が全く違う、シリアルの桁数がそもそも異なる。
では保証書記載のシリアルNoとは一体何?
これはD&Mの販売管理上記載しているもので、前述のとおり本体シリアルと関連づけた管理はしていない。ここは「B&W側のシリアルNo情報は弊社(D&M)では一切わかりません」と明言しています。
同じグループ会社ながら、Bowers and WilkinsのヘッドフォンについてD&Mホールディングズが行うのはつまりは輸入・販売・修理受付のみ。
上記以外の実務は実際の修理も含め全て本国の対応となります。個人的な経験では他の機種も含め修理作業は現実には現品交換である場合がほとんどです。
製造業の人間として言わせていただければ、このシリアル情報の件は今のご時世トレーサビリティにいささか疑問符が付く管理としか言いようがありません。
製品の出来、スピーカーのブランド力、そして海外での高評価のわりに我が国ではヘッドフォンがメジャーになりきれていない理由の一つだと思います。
B&Wのリファービッシュ(工場再生品)ヘッドフォンとは?
ところでB&WのヘッドフォンについてYahooショッピング等でリファービッシュ(Refurbish・工場再生品)というものが時々出回ります。Bowers and Wilkinsヘッドフォンのファンになったら一度は惹かれる物件です。
交換品や補修部品を使って作られたとのふれこみでP3やP5に多いのですがこれはどうなんでしょう。
結論から申しますと「わからない」。
ひとつ言えるのはBowers and WilkinsやD&Mホールディングズでは公式に全く触れていない商品であるということです。
海外のヘッドフォンファンのコミュニティでも情報がない。
また海外の販売サイトの中には開こうとするとウィルスソフトが危険と判断するようなものもあるということ。
検索には引っかかっても実際にサイトを開くと「404 Not found」も多く、つまりはまあそういうものではないかと。私はお勧めしません。
といいながらもP5マゼラティバージョンが出ていたときは本当に悩みました、この時だけはマジに考えた。ほんの一瞬ですが「本物がくるかもしれない」と。
あのリファービッシュにお心が揺れるのはよくわかります。
P9のスペシャルエディションが出てたらかなりアブなかった
我が国以上に海外ではBowers and Wilkinsのヘッドフォンはブランドイメージが高いです。その分残念ながらフェイクが出回っていることもやはり事実なのです。
中古の品質上のチェックポイントはヘッドバンドの接着不良
偽物対策についてはわかった、では品質面での確認ポイントは。
ヘッドバンド、要注意ポイントです。
この接合部(以下の画像にある点線部分)に隙間や亀裂がないかを入念に確認して下さい、製造ロットにより剥がれるものがあります。
以下画像の点線部分で接着が剥がれてパクっと開いてしまう。特に頭頂部の部分は4cmぐらいの幅にわたって裂ける。
なおクチが空いた時に中をまじまじと見たんですが、かなり接着面ののりしろが狭い。
素人が再接着することは多分無理じゃないかというレベルでした。なんらかの治工具必須のように思えました。自分は完全にダメです。
一応申し上げますと内部のクッションは普通のウレタンでした、低反発ではなかった。
あのクッション性は革そのものの厚みと柔らかさに起因というそこは合格なんですけれど。
自分の仕事の眼で見ても、これいずれ剥がれるでしょってワークだった。初回生産から程なく製造仕様を改善したと思います。
なおイヤーパッドの状態はこの際あまり気にされなくてもこの場合よろしいかと。単売しておりますからきったなければ交換してしまえばいいのです。
しかしこのヘッドバンドの接着剥がれは厄介。
P9のヘッドバンド接着部はいろいろあったっぽい
実はこれを知ったのは私のP9 Signatureはここがバックリ裂けて修理(といいますか交換)をしているからです。
購入して3ヶ月ほど経った時いきなり剥がれた。
どうやら初期ロット特有のものらしい。泡を食って連絡したときD&Mのサービス担当者が全然驚かなかったから。珍しく速攻の返事でした。
ヘッドバンドの接着面が剥がれたとお伝えした途端、「その症状は新品へのご交換となります」とマシーンのような即答で相手にとって初めての話ではないとわかった。
実はB&Wのヘッドフォンはそれ以前に他の機種でもD&Mサービス対応を受けております。
いずれも「本国に送って確認するのでぇ〜」とか定番の説明が入って時間が掛かるのですが、これのみ異例の速攻回答でありましたため印象深かったのです。
なおBlogの画像撮るまでこちらも気付かなかったのですが、交換品はシール剥がすの忘れたまま使い始めて今に至っておりました。
つーかこの不具合は割とショックで、代品が来て1ヶ月ぐらいこいつの顔は見たくもないという時期がありました。今見ると感慨深い。
繰り返しますが対策済みと思います、あのワークのままなら交換後も短期の使用で再発したはずです。
多分接合部の工程管理や接着剤の種類を変えたのでしょう、交換品は全く問題ない。
イギリス製品もBowers and Wilkinsぐらいメジャーになるとあのふてぶてしい態度はないようです。
なお購入した頃は出張が多かった時期でほとんど使っていなかったことから不良品は10時間程度で壊れたということになります。
中古の話に戻すと同じ製造仕様で作られた対策前の製造ロットは中古市場に一定数流通していると思います。それは偶然不具合が出ていないだけの個体です。
まさかその後趣味関連のBlogを書くことになると思わず画像も残しませんでしたが、ここは要確認ポイントです。
あのワークは端的に言っていつ壊れてもおかしくないレベルだった。
自費修理など考えたくもないです。
中古ショップの有償保証サービスは加入したい(例えばSofmap)
中古に関し有償の延長保証というものは少ないのですが、例えばSofmap(プレミアムワランティ)のようなオプションがある場合は加入をお勧めします。最悪でもお金は戻ってくる。
中古は3年が限度ですが、あれば心強い。正直かなり安いと思います。
あくまでパソコン等での利用実績ではありますが、同社の対応はきちんとしており安心できるものです。
P9 Signatureの中古購入チェックポイント
上記より中古品のチェックポイントは改めて以下となります。
(必須事項)
- D&Mホールディングズ発行の保証書があること
- ヘッドバンドの接合部に亀裂や隙間がないこと
- オークション等個人売買による入手は避けたい(安いが危険)
- 外観が綺麗
(あればベスト事項)
- 製品箱
- 中古ショップによる有償の保証サービスがあること
- 付属品一式
中古品については外観の程度や値段など色々な尺度がありますが、ことB&Wに関しては値段ではございません。
ここは強調させて頂きたい。多分法外に安いものもないしもしあれば逆に怖い。
なお数機種を使っての実感として、マテリアルが良いためか長期の使用に耐えると申し上げます。
怖いのは偽物と初期生産モノに混じっている不具合
この記事を書いたきっかけも、あることから考えていた以上にB&Wのヘッドフォンを中古で探されている方が多いと知ったためです。
良いものですが注意点もございます、ご検討時の情報ともなれば幸いです。