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ハイエンドヘッドホンはスピーカー代わりになるか・B&W P9sigで試してみる

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P9 Signature、勢いあまって買ったB&Wのヘッドフォンであります。この分野物凄く盛り上がってますから手が出た。
むろん分不相応ですから3年ぐらい買い物止めようと決心したほどです、その時だけですけど。

しかしテーマもありました、ある程度ハイエンドのものならヘッドフォンはスピーカーの代わりになるのだろうかということです。

この画像撮って気づいたのですが、フィルム剥がしてなかった
少々込み入った理由がございますのでここは後日

満足ではありますがスピーカーの代わりにはならなかった。全く違うものだと実感しました。

ただ全部ではないながら大事な要素で明らかにピュアオーディオでは難しいレベルを実現するパフォーマンスがあります。

スピーカーとの違いは音場感とダイナミックレンジ

解像度、つまり音の細かさは本当にハイエンドオーディオ並みです。

P9 signatureの解像度はハイエンドオーディオなみ

ダイヤフラムのクオリティやチューニングとかいろいろいいんだと思いますが、微小な環境音の変化もわかりやすいぐらいに明確に再現する。

聴けばその音源のレコーディング状況や水準がよくわかる、スタジオの反響が聞こえるんですからこりゃ本物です。
ここをスピーカーで出すにはかなり頑張らないと。

音色(ねいろ)でごまかしてない、本物です。

仮にこのレベルをスピーカーで実現しようとしたら幾らかかるんでしょう。真面目に部屋から作らないと多分無理です。ヘッドフォンは部屋の響きという要素がないので。

純粋に録音された音を高解像度で聴き取れる訳です。ピュアオーディオならば機材だけでトータル100万だとちょっと無理かもしれません。

質感も含め真っ当な音。なんでしょう、個人的な感触だけだとAccuphaseを当てた800系の解像度に近似であります。ああいうもう欠点が見当たらない音。

B&Wだと805D3 Prestige Editionが台込みでペア100万ぐらいですから。アンプとプレーヤーで合計300万弱のシステムなのかしら。高すぎて今あたくしではカスりもしません。

AccuphaseのE-800とそこそこ能力あるSACDプレーヤー、DP-750あたりの組み合わせでこのぐらいの解像度になりそうです(DP-570は聴けてませんのでわからない)。
一応念のため、解像度の部分だけでありますよ。

なお申し上げますと、iPhone直出しです。せいぜいがUSB DACをかませる程度。それでこれなのか、それともまだ上があるのか。

ヘッドフォンはどうしてもソファで寝転がって本読みながら聴きたいので据え置きのヘッドフォンアンプはここまで縁が無いのです。

M-AUDIO Micro DAC 24/192
これ意外によろしい、かなりパワーがあります。ただバッテリーはめちゃくちゃ消費する。「パワーのあるエンジンはガソリンを喰うエンジンである」というオーディオの公式通りの音。

そのうちポータブルアンプは行くとは思いますが。このヘッドフォンは「吊るし」で楽しめるものとご理解を頂ければ。

https://amzn.to/3gILvi7

P3・P5(そしてP7)とは明確にレベルが違う

P7からP9は価格がガクンと上がります、正直ボられてるかもと(若干ですけど)思っておりました。ハイエンドヘッドフォンという分野もどの程度のものかわからなかった。

しかし知人のP7(有線)でじーっくりと比べさせてもらって納得です。わかりやすく出だしの音から全然違った、安心。
まあしかし我ながらやってることがちっさいねえ。貸した相手も呆れてた。

全方位でP7より上です、何ならP5(有線、ワイヤレスともに)・P3とはもう歴然と違う。

基本の解像度が違いすぎます、注意して聴かなくても録音の良し悪しがわかるレベルといえばお分かり頂けるかと。

逆にP5とP3の音づくりのうまさに感心したほどです、特にP5系は本当にこれはこれで完結している。かえって好きになった。

音場感はヘッドフォンそのまま

ただ音場(おんじょう)は全くヘッドフォンのそれです、俗にいう頭内定位。完全に頭の中で鳴っている感じです。

ここは「音場広い」というレビューもあってちょっと期待したんですがそこまで上手いことはなかった。ひたすら細かく音が聴こえるだけ。

レコーディング現場の様子はよくわかるので、この部分を音場が広いと感じる人がいるのかもしれません。

ダイナミックレンジはやはり狭い・スピーカーとの違い

ダイナミックレンジ、大雑把にいえば小さい音からデカい音まで出せる音量の範囲のこと。買う前から分かっていましたが、スピーカーに比べヘッドフォンはどうしてもダイナミックレンジが狭い。

レビューとか評論ではあまり触れられませんが個人的にオーディオで一番楽しい部分です。しかしP9signatureであっても同じ、ここは狭い。大音量での伸びはありません。

ダイナミックレンジの広いスピーカーは果てしなく音がデカくなる

えー何の話してるん?という向きに申し上げますと、本当にいいスピーカーは音量を大きくした時

グィィィーーーん

と、どこまでも音がデカくなっていきます。クリアなままで。

これが出来るスピーカーは小さな音でも何故かのびのびと聴こえる。
のびのび聴こえる小さな音って変な日本語ですが。
ダイナミックレンジの広さを無理やり言葉にすればこういうものかと。

実を言えば個人的には「聴き疲れのしない」とか「暖かい」「艶のある」音とかの批評がよく分かっていない。こんな聴き方をしてるせいです。

なお高解像度はモニター系とよくいわれますが、ではP9がそうかと言われればちょっと違うような。
P9 signatureはモニターに使える能力があるとは思いますが、なんかそれとは違うかなと。

P9 sigも大音量は詰まり気味(スピーカーに比べれば)

話が飛んだ、ダイナミックレンジを追うことはヘッドフォンやイヤモニでは無理です。振動板や発音構造が違うのでもうやむを得ない。

そもそもダイヤフラムはスピーカーユニットのようにバタバタ振れないですし、ホーンのようなものもついていない。

P9sigは解像度高い分微小音は相当に(本当に相当なレベルで)効かせますが、デカい音はスピーカーと比べるとどうしてもちょっとつまり気味というかやかましく聴こえる。

音質が硬い柔かいの話という話ではなくて、ダイヤフラムの振幅を超えるような大きい音は単純に過大入力となりサチりはじめる、その限界が低いという意味です。

関連しますがトランジェント(応答性)も大音量になるほど標準的になります。小音量では解像度の高さもあって極めて良好です。

半解放(半密閉?)の造りが素敵

なお少しでも振動板をフリーに動かしたいんだと思います、P9signatureは半解放(半オープンエア?)です。ダイヤフラムの背圧を抜く、このからくりは秀逸です。

この波々のスリットが息抜き孔になっていて、しかも掛ける角度に合わせてイヤーパッドごとグニャグニャ曲がる、可動範囲も大きい。実にステキな構造です。

よく作りましたなあと。稼働部のダンパーと開口部を兼ねてる。

金属ですからいつかビキッといくんじゃないかと不安ではありますが、どこで思いついたのか。
これあってか装着感も大変よろしい。1時間以上つけていても全く痛くない。

振れ幅がお分かりになりますかどうか
全方位にかなりの幅で動く。イヤーパッドの質感だけでなくこの部分のおかげで装着感は大変よろしい。

装着感の良さはB&Wに共通のものです。イヤーパッドのレザーの質、そしてアームのデザインは見た目だけじゃなくダンパーとして申し分ない。

なお音は盛大に漏れます。しょうがない、振動板は後ろが完全に抜けておりますから。
ご大層な折りたたみ機能とポーチ(何故かB&Wはこれにこだわる)がついておりますが、これは紛れもない自宅専用ヘッドフォンです。

持ち出さないので一本モノのバンドでもよかったんですけど
あとあのポーチは使わない

デザインはシリーズから外れてる・不評の理由?

初めにここをいうべきなんでしょうが、デザインはP7以下とは完璧に流儀が別。様式は?ネオクラシコなんでしょうか。
イタリア製のサファイアーノレザーとかいってましたが。

最初買わないと決めていた一番の理由でもあります、実際当時このデザインは評判がよろしくありませんでした。率直に野暮ったかった。
買うとちゃんとしているとわかるのですが、写真では合皮っぽかった。

しかし外使いしないですし、慣れました。家で使うぶんにはこの音のために今や愛着ありです。

ハイエンドのヘッドフォンはそろってデザインが野暮

なお当時の私にとってゼンハイザーのHD800のカッコはもっと無理でした。10万超えるあたりからどのメーカーもなぜああも重いデザインになるのかなと少し不思議です。
何かといや「高級感」ですから。あの言葉、見るとこっちが恥ずかしくなる。

その中では仕方がないだろうとは思います。むしろP9signatureはマシなほうでした。

個人的にはヘッドフォンはメーカー問わず4万円ぐらいまでが一番デザインがいいと思っています。あのまま内容だけ上げてくれたらいいのですが。

ハイエンドのヘッドフォンは軽いデザインについてもう少し考えてもいいんじゃないかと思います。

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