スコグスタの前はこちらを使っていました、「AGAM アーガム」。オーディオ専用スタンドの代わりにイケアを使うきっかけとなったスツールです。
音質面では全く問題がない、高さ60cm以上があれば再度こちらを買ったと思います。
AGAMのスペック・SKOGSTA(スコグスタ)との違いは安定度と少ない反射
基本的なスペックは以下のとおりです。最初に申し上げますと、スコグスタとは高さ以外の基本的なスペックで一長一短の部分があります。
- スコグスタより有利な点:
- 高さに対しフットプリントが大きくスピーカーの振動に強い。
- 脚が細く反射が少ない(音場感に大きく影響)
- スコグスタより劣る点:ビーチ材は軽量のため本来オーディオ向きではない。
AGAM「アーガム」・細めに見えて耐荷重75kg
今回数年ぶりに調べてわかったのですが、値段が上がっている。当時はもう少し安かった。
- 価格:¥5,999(1本)
- 材質:座面(オーディオでは天板)は合板、足はビーチ材
- 色・塗装:3色(黒/白/赤)。ソリッドなアクリル塗装、つまり子供部屋向けテイスト。
- 高さ:52cm(シート座面、つまりスピーカーを置いたときの高さ)
- 座面:28×29cm(厚み:3.3cm)
- 重量:4.0kg
- 耐荷重:75kg(ご注意:以前公式サイトに表記がありましたが、今は消えています。海外サイトで記載がありましたが確認が取れないため。お子様の体重との兼ね合いは直接イケアへご確認をおお願い致します)
背もたれはねじ止めですから最初から取り付けずに使います。
色はキッズバージョンのためインテリアに馴染ませるカラーではないです。アクセントとして使うのがいいかも。
その意味からアタクシはあえて赤を買いました。部屋がモノトーンですとまあまあいい感じであります。
座面高さは52cmですから市販のスピーカースタンドではメジャーな高さ。座面大きさからフットプリントの1片が28cmのスピーカーまでは対応します。
耐荷重75kgであり載らないスピーカーはありません、理論上はDS-5000あたりも載るって訳です、そんなことはできませんが。
なお買ってから相当の年月が経ちますが全く壊れない。足は木工用ボンドで固定しましたので(その予定は全くありませんが)廃棄するときはノコギリで切断する以外破壊は不可能と思います。
スピーカースタンドとして・スコグスタとの違い
一番の違いはかたちと素材です。高さは、リスナーの耳の高さですからこれは製品の優劣と違う。
かたちは、これはかなりよろしい。スコグスタより明らかに振動に強い。
四つ足が広く広がっているためとにかくガタがありません。
それだけ足を広げて踏ん張っています。しかも広がりは僅かに椅子の後方に大きい。
足の先端は丸く加工され、傷つかない程度で床と1点で接触していることもガタの少なさにつながっています。
気になるのは材質でして、買う前アタクシもこれでいいのかと思ったポイントです。1本数千円でなければ永久に試さなかったと思います。
天板は繊維材つまりMDF、そして足はビーチ材。
この材料はまずオーディオでは使われません、ホームセンターの格安家具向けとしてはっきり嫌われます。
軽いからです、しかも足が細い。比重の比較では
- アカシア(スコグスタ):0.78
- ビーチ(AGAM):0.62
かなりの差があるといっていい、天板のMDFもよくない。ひらたく言えばAGAMの材質はオーディオアクセサリーとして見ると劣っています。
言い換えれば、この部分があってもメリットがそれをカバーするならいいわけです。
不要な音の反射がすくない・DIYや自作では不可能なかたち
専用台から変えて印象的だったのは「音の拡がりが自然」ということです。
足が細いので反射らしいものがない
その前に使っていた専用スタンドは足が太くしかも4本でした、ほとんど天板と同じ太さの台が床まで伸びている状態。
ブックシェルフのような小型スピーカーはリスナーから見た時に音がピンポイントから拡がることが最大の利点です。
太い柱の上に置いたのではあまり意味がない。トールボーイスピーカーを買ったほうが低音を稼げるし良いということになります。
反射だけではなく、そもそも振動に強かった。反射が少ないだけで足が振動するようなら音はきれいに拡がりません。
確かにわかるのは耐荷重75kgは音質に意味があるということ。
ビーチ材かつ細い足ですが、それ自体が共振・共鳴する様子もなくスピーカーの振動を確実に受け止めていると思われました。
オーディオ専用をIKEAスツールに変えたときの不安
音質が悪くなるのではないか・安いしデザインは良いけど
最初からスコグスタがあればもっとすんなりとIKEAスツールを転用することが出来たかもしれません。
あれはわかりやすく「使える」と直感できます。
その点ではAGAMを使うことは最初かなり疑問、というより不安がありました。
費用以上に時間が無駄になるかもと。
オーディオ雑誌のアクセサリー特集もハードルを上げる要因になる。
随分前に実際にホームセンターのスツールを専用スタンドと比べる記事を読んだことがあります。
「家具はスピーカースタンドとして音質は最低、専用が一番」という結論でした。
否定はしません、どころかよほどいかがわしいものでない限り専用スタンドは音質が高いと思います。
ただIKEAのスツールを使うと感じることがあります。
- 専用はあまりに割高。
- 使用環境が違えばスタンドも変える必要がある。
ということ。
オーディオの試聴記事と一般家庭は「音量」が違いすぎる
オーディオ雑誌の試聴記事についてひとつ言えるのはテストの際一般家庭よりかなり大きな音で聴くということです。
実際に評論家の試聴を見学させて頂いたこともあるのですが、とにかく音は大きめ。
絶対性能を見るためには当然の条件で、音量が大きければスピーカーの振動もかなり大きなものになります。
アタクシはどうかといえば、大音量は大好きですが実際はかなり小音量。
なぜかといえばデカい音を出したら近所迷惑だから。
入居物件は常に間取りが広くてできるだけ防音に配慮したものを探します。
それでも時間は選びます。
さらに大きい音で聴きたい時はご近所を確認します。
居るかいないか、空き巣みたいだけど。
小音量の場合、専用スタンドの仕様には不要のものが多いと気付きました。
あの不愉快なほど重い素材(鋳鉄など)が必要とは思えない。
それよりもかたちとして振動しない「安定した構造」のほうが重要な気がしています。
付け加えるならオーディオ試聴記事のテスト音量は、あれは必要だと思っています。読者はユーザーではわからない絶対性能が知りたいのですから。
ただ現実にあの音量を出したら集合住宅はおろか戸建てでもご近所が近いと間違いなくクレームが来ます。
評論家の皆さんは小音量から大音量までさまざまな条件を試聴した上であの記事を書く。そういう前提があることは道具選びで知っておいてもいいかもしれません。
オーディオアクセサリーはマニアの常識が多すぎる
こんなことをブログに書くのはリアルでしゃべったらとっちめられるからです。その前にちゃんとオーディオ専用スタンドも使った上でですよと言っても許してもらえない。
わざわざ面と向かって知人を不愉快にするなんてやるものでもありませんし。
素材うんぬんの前に基本の比較をして欲しい
IKEAのスツールを転用するアイデアもスキルがあって試した訳でもありませんから。
偶然よかったに近い。
ただオーディオアクセサリーの記事はちょっとついていけない時も、まああるわけです。
「ウッド特有の温かみのある音調」とか「金属製ならではのソリッドな音質」とか。
激変とかあっと驚いたとかまで言われると、さすがにこれは。
自宅だけでなく様々なリスニングルームでも経験はありません。
第一それを言ったらスピーカーの箱は木製が大部分なわけで、みんな「温かみのある音調」になっちゃいますから。
流石にないと思う訳です。
むしろ力学的に明らかに不安定なかたちなど、そちらのほうにフォーカスしてくれればと思うのですが。
小型スピーカースタンドは耐荷重20kgが珍しくありませんが、メーカー関係者としては耐荷重の違いが明らかに構造に現れるとはっきり申し上げられる。
耐荷重20kgと75kgが同じということはありません。
基本というのはそういう部分です、コメントした記事を見たことがない。
「ペア10万円のスピーカー向けスタンドおすすめ」の情報があっていい・あまりにすくなすぎる
それと何より、
ペア数万円のスピーカーに数万円のスタンドを組み合わせる
これはよほどのことがないとできないのではないか、ということ。
20年以上オーディオを楽しんでいますがここだけはちょっと不親切だと思います、変わっていない。
あれだけローコストでいいスピーカーが売られているのに、スタンドについてはほとんどコメントがない。
無論高いスタンドを買われる方は凄いと思いますが、ハイエンドすぎてちょっと真似できない。
その点IKEAなら気に入らなくとも家具として使えます、無駄にはならないし至って気楽なものです。
極限までいい音といわれれば困りますが、楽しむならばこちらもありかと。