フライトジャケットの着こなしはどうすればいいのか。タイトなサイズを長く着ることだと思います。
革はどんどん身体になじむ。
そして、A-2がまさにそうですが、ついにシャツのような着心地になります。これ最高の瞬間です。
ですから気持ちが傾いたなら早めにお試しになったほうがよろしい。
A-2は着るほど価値が増す・味が出たときが「一番似合う」道具
A-2は流行と無縁の存在になりました。
つまりかっこいいのかダサいのかもうわからない境地にある。
レザーは新品時が最も価値が低い・特にフライトジャケットは
夏前にA-2の話をする理由・革ジャンは悩むアイテムだから
これから暑くなろうというこの時期にフライトジャケットの話で恐縮です、いきがかり上書いてしまいましたが理由がないわけじゃない。
他の服と違いレザージャケット選びは慎重になります、なんといいますかただでさえコーデが難しい。
革ジャンは買うのに決心がいる重いアイテムです。
衝動買いをする人はあまりいないのではないかと。
しかも「フライトジャケット」。
知識を語る人が多く、駄物・偽物を買ってしまってはという不安がつきまとう。
店頭で良さそうだから買ったなんてできない、いろいろと調べて見るはず。
夏からご自分のなかで徐々に盛り上げていって秋スタートがいい感じではと思うのです。
革ジャンは「着たら古着」ではない・A-2、G-1、B-3は経年変化で価値が増す
スタートとしたのは
レザーのフライトジャケットは新品が一番「価値が低い」から。
特にA-2・B-3・G-1あたりを着るということはすり減るのではなく、「始まった」ということ。
A-2にファンがつく理由は「着る時間が長いほど似合ってくる」からです。
逆に新品のレザージャケットぐらいカッコ悪いものもない。
手元においた時間が長いほど良い意味でヘビーに変わり、しかも身体にフィットしていく。
特別な造りでもないはずなのに「使い込んだ道具」のように手放せなくなる。
革ジャンとはそういうものらしい。
日本製「レプリカ」「復刻」フライトジャケットは評価が高い
10年経って思うのは、もっと早く買っておけばよかったということ。
時間は買えません。
正統レプリカをエイジングさせることが一番の楽しみかた
レプリカの正確さについては知名度のあるブランドならどれも大丈夫です。
通販などで激安・無名のいわゆる「革ジャン」でない限り、A-2でそれなりに造りのこだわりを主張するものにおいて全てディティールで不満が出ることはない。
もし慎重を期すなら以下のラベル画像をご覧ください。
オリジナルに忠実なレプリカ・復刻モデルの見分けかたはラベルおで
真贋の見分けかたは容易です。以下のようなデザインと刻印のラベルがあればよろしい。
正統なレプリカにはどれもこのようなデザインのラベルがついています。
ラベルに実名復刻を表す「Type A-2」と入っていて細身ならまず問題ない。
レプリカをうたってこのモデルを作っているメーカーで手抜きは見たことがありません。
市場で商品価値がありませんので。
唯一のご注意としては80年代風に身幅を太くしたシルエットのものは避けてください。
どう工夫しても、どんな美男美女が着ようとも(フライトジャケットは女性を素敵に魅せますが)これだけはコーデのしようがない。
バズリクソンズやフェローズは申し分ない・リアルマッコイズはオリジナル以上
無論バズリクソンズやフェローズならば申し分がありません。
あるいはヴィンテージのザ・リアルマッコイズならば完全と言っていい。
オリジナルを超えたレプリカ
変な言い方ですがそのぐらいの価値があります。
特にザ・リアルマッコイズ創業者の岡本博 氏はもうファナティックともいえる情熱。
そして想いだけで終わらせず、会社の経営がおかしくなるほどのコストを掛けてフライトジャケットの復刻に全力を注ぎ込みました。
「ザ・リアルマッコイズ」岡本博 氏の情熱はオリジナルすら超えた
最高、などという言葉がもう及ばないほど。贅を尽くしたレベルです。
品質そしてレプリカとしての再現性はアメリカ本家が遠く及びません。
縫製に使うミシンからしてオリジナルを製造していたものを探して(しかも修理して)使ったぐらいですから。
ない部品は当時そのままの材質のものを惜しげもなくスペシャルオーダーした。
フライトジャケットに関し日本のレプリカモデルは世界的にみても異常にクオリティが高いといわれますが、そのルーツを作ったのは間違いなく岡本博 氏です。
その後に登場した「The Few」「バズリクソンズ」「フェローズ」「トイズマッコイ」なども「ザ・リアルマッコイズ」の手法を踏襲することになりました。
個人的に上記のブランドを買うのは予算をさておいても素敵な選択と思います。
長く使うので結局安い、月あたり千円弱で使える。
中田商店A-2で10年経ったいま、実はちょっとそう思っております。
初期投資が大きいのでベストの選択とは申しませんが、上記は10年使った実感です。
中田商店はオリジナルに忠実・全てのレプリカモデルを継続アップデート
そうはいいつつ現実には予算の限度もありましょう、自分もそうでした。
真っ先に候補に挙がる中田商店ですがこちらはどうなのか。
- 中田商店公式ウェブサイト:https://www.nakatashoten.com
MORGANブランドを10年使った感想・「早く買ってエイジングさせるべきだった」
アタシはホースハイド、友人はカウハイドのA-2を買った。MORGANブランドです。
お互い10年経ちました。
一致した意見はもっと早く着て身体になじませればよかったということ。
新品よりエイジングしたフライトジャケットのほうがはるかに価値がある。
中田商店製フライトジャケットはタフといえる高品質・しかも忠実度が高い
中田商店(Morgan)A-2はモノがいい、疑問の余地なくこれが結論です。
あと10年使えるのかという不安は皆無。
レプリカとしてポイントを押さえた再現度、何より品質が良い。
実によろしい、その後もいろんなモデルをみましたがレプリカとしての再現が高レベル。
繰り返しますが何より質がいい。
とにかくヤレない。
洗濯機でグルグル回して水洗いでも全く変化なしです。
何気なく書きましたが、やるかどうか直前まで本当に悩みました。
レザージャケットでは本来タブー中のタブー行為であります。
ヤワな造りや質の低いレザーならグチャグチャになっていますが、これは平気。おかげでオイルアップまですることになったわけです。
10年なんとやらですがここまで一緒にいるともう他と比べていいか悪いかという比較は無くなります。あと10年ひたすら使うんだろうなということだけ。
友人もいってます、「早く買えばよかった、迷ってた時間だけ損した」。
中田商店の強みは「時代考証」・新史料が見つかるたびに細かくアップデートを重ねたオリジナルのフライトジャケット
一見カオスなお店の外観と異なり中田商店は昔から駄物は売らない、そしてオリジナルブランドの品質が高い。
もう20年以上カタログやHPを見ているとわかりますが、ディティールのアップデート頻度が多い。
新しい事実が見つかるたびにモデルのディティールを更新するのです。
軍用のジャケットは詳細を公表しません。
そのためいまだに「レアな生産ロット」が発見される分野です。
なにしろ第二次大戦ともなればもう80年近く前です、まだ知られていない事実がたくさんあります。
歴史学でいう新史料発見そのままの世界です。
中田商店はどうしてきたか。
この会社は「時代考証」という作業をずっと続けてきた。
情報を集め続けたのです。
例えばオリジナルの前期・中期・後期といった区分が明らかにされるたびに商品のデザインや(これは大したものですが)素材や部品を変更して再販します。
ミリタリーウェアに関して国内有数の知識を持っていると一部で言われるゆえんです。
映画等への制作協力も実績多数といえばオリジナル製品の質についてイメージして頂けるかと。
上野アメ横の本店はカオスな雰囲気だが親切、サイズアドバイスも的確・アパレル小売として良心的
では前モデルの在庫はどうなるのか?セールします。
しかも「更新前のデザイン」である旨をきちんと注記しています。
実際、上野アメ横にある本店もそうです。
濃いめの雰囲気に初心者はビビりますが、普通のアパレルと比べてもかなり良心的な販売方針。
店員さんが親切、素人の質問にも丁寧に答えてくれる。
サイズアドバイスも的確です。
10代の頃からずっとお世話になっています。
なお創業者の中田忠夫氏は先年(2019年)他界されましたが、仕事だけでなく生き方全般に強烈な信条をお持ちの方で、その個性がいまも反映されているようです。
もしご興味あれば中田忠夫 氏の事歴についてはこちらに詳しいです。
栄枯盛衰の激しい世の中ですが中田商店は今のままずっと続いてほしい。
A-2の着こなしはタイトなサイズを普段使い(参考情報:アタクシの体型)
フライトジャケットの着こなし全般に言えますが、特にA-2については
- タイトなものを選ぶ
- 普段使いをして着倒す
ということに尽きます。
ディープなマニアはコレクター化するほど奥が深いカテゴリーですが、しまっておくのはもったいない。
革ジャンはタイトを毎日着ると身体の一部に・ダサい着こなしはルーズでゆったりが多い
なおお買いになってから後悔することのなきよう、繰り返しで恐縮ですが。
少しきつめを買って
毎日どんどん着て
身体のかたちに馴染ませるべきです。
実際エージングが進むとフィット感はかなり変わる。
今回オイルアップしたあと、もしかしたらもうワンサイズ下でも良かったかと一瞬思ったほどです。
似合わない・一番失敗するパターンは『腹出そうだからゆったりサイズ』
付け加えるならばフライトジャケットのゆったりサイズは逆にコーデが難しい。
「ダサい」といわれる着こなしはほとんどがゆったりシルエットです。
腹出るかもしれないから少し大きめを買っとこう
これが一番失敗します。
腹が出ているかどうかよりも、着倒して馴染んでいるかどうか。
圧倒的に「見られて」いるポイントです。
なおご参考までにアタクシの体型はといえば
- 身長:170cm
- 体重:83kg(つまりメタボ)
- 肩幅:いわゆる日本のLサイズ
- 腕の長さ:日本のMサイズ
まあ太ってる、しかも10年前よりひどくなっている。それでもタイトがいいとしみじみ思うわけです。
早くオイルアップすればよかったとちょっと後悔しております。
ホースハイド(馬革)にこだわる必要なし・カウハイドA-2はなじみが早い
その点で友人のA-2はちょっと羨ましかった。カウハイドなので馴染むのがかなり早かった。
クタクタになるのでカッコがよろしい。
春先・秋口、そして冬の重ね着など。
クタクタは本当に助かる。
タイトフィットで買っても安心できる。
カウハイド(牛革)は短期間で身体にフィット・正直ホースハイドでなくてもいいかも
中田商店A-2(Morganブランド)ではより安いラインながら値段は関係ない。
かなりお勧めかと。
馴染ませることにつながりますが、着こなしなんて構えずにどんどん着ればいいものだともわかりました。
インナーがTシャツとか、寒ければタートルネックとか、とにかく白系ならあとはなんとでもなる。
コンビニに買い物行く時とかどんどん着ればいいのです。
ジーンズのように着倒すのがカッコいい・エージングは価値そのもの
A-2はジーンズみたいなものだと思います(最近はジーンズもマイナーになっていますが)。
コーデなんて言わなくてもその人に合った収まりがつく。
むしろ流行りと関係ないぶん「それ何」と聞かれるほどです。
ただかっこいいとダサいを分ける着方がないわけではございません。
とにかくインナーは短く・ボタンダウンでも、Tシャツでも(例外はセーター)
インナーはどうするか、気取らないものが似合います。
シンプルなシャツ
ボタンダウンでも、Tシャツでも
冬ならセーターです、意外にフリースが合わない。
コットンとかウールとか、素材感はオーセンティックなものが合う、その代わりディティールは現代的なアイテムで。
ただし、丈は短いもの、これは絶対です。
A-2のすそから見えて2cmです。
いっそシャツインがいい、と言われる理由です、当然ダボダボTシャツはダメです。
例外はセーターで、かえってアクティブに見えます、ひとつ着方です。
ボトムズは「ストレート」・ゆったりかスキニーかはあまり関係ない
ボトムズはどうするか、「ストレート」なラインに見えるもの。
スキニーでもワイドパンツでもいい、特にタイトなシルエットを選ぶ必要はなくゆったりでもいい。
太もも、というより膝から裾までまっすぐにみえればそれでOKです。
偶然にもオバマ元大統領のラインが参考になります。
細身の彼にして太いパンツですが、ラインがストレートのためシャープに見えています。
アタシは足が太い(上に短い)のでストレートなシルエットのパンツは怯むのですが、第三者が受ける第一印象はラインがきれいかどうか。
むろんスキニー系は無難です、アクティブにみえる。アタシは体型のせいで穿けないですが。
ただ、明らかにダボダボにみせるワイドパンツやガウチョパンツは合いません。
通勤で使える理由・A-2は「最もドレスコードに厳しい集団」のウェア
なおインナーをワイシャツにした場合のコーデ例として、更にオバマ元大統領の着こなしをご覧ください。
多分AVIREXのモデルだと思いますが、1940年代のシルエットらしくカチッと着られます。
A-2はちょっと「正装」に近い雰囲気があります、そういう集団で使われているからです。
それを着崩すのがA-2のコーデといえます。
オバマ大統領だけでなく、歴代のアメリカ大統領は空軍基地訪問の際にA-2を着用することが多い。
製造業は「昭和かよ」と言われるほど相当に堅い気風ですが、おかげで通勤使用に文句は言われたことはない。
(会社にスーツの上着を置いてあります)。
スラックスにワイシャツ、なんでしたらタイ着用でも決まります。
軍隊はドレスコードに厳しい、サラリーマンの比ではない。
だからこそ会社にも着て行けるのです。
何人かに印象を聞きましたが、特にミリタリー感を感じないアイテムらしい。
とりあえず柔らかくできたし、今シーズンが楽しみ。
A-2が気になっておられる方へ、着始める時期が早いほど確実に楽しむ時間は増えると重ねてお伝え申し上げます。