IKEAの製品中でスピーカースタンドとして使える椅子・スツールについて整理してみました。実際に現品を確認してみてオーディオ専用と遜色ないかそれ以上の製品です。
同等のオーディオ専用スタンドよりも確実に安いことを前提に、音質面では振動に強くセッティングしやすいこと、そして自分で材料を買ってDIYするより安いことが条件です。
- ●ご注意・記事内の通販サイトリンクは公式オンラインが利用できない方向け
- ●家具であるIKEA製品をオーディオへ転用するときの条件
- ●格安IKEAの椅子やスツールがオーディオ専用と同等以上の理由
- SKOGSTA スコグスタ・「専用以上」の高音質スタンド
- NILSOLLE ニルソッレ・高ささえ合えば高音質スツール
- AGAM アーガム・子供向け椅子はオーディオ向け狙い目
- INGOLF インゴルフ・ハイチェア、ナチュラルカラー希望の向きへ
- INGOLF インゴルフ(スツールタイプ)・中型スピーカー向け
- BENGTHAKAN ベングトホーカン・中型スピーカー向け
- 高さ調整可能なスツールはセッティング重視・サラウンドのリアスピーカー向け
- DALFRED ダルフレッド・セッティング幅最大
- GRAVAL グローヴァール
- KULLABERG クッラベリ・調整で床面に完璧に接地させられる
- リアスピーカーの置き場に困るホームシアター
- 高さ調整可能な椅子やスツールはDIや自作には最適
●ご注意・記事内の通販サイトリンクは公式オンラインが利用できない方向け
ご紹介記事の前にご注意を。
本記事内にはECサイト(Amazonなど)のIKEA広告を入れさせて頂いております。公式オンラインストアを利用できる条件にある方はそちらをご利用下さい。
本来はIKEAの店舗で・「買えない」方向けのオンライン通販リンク
以前アタクシの体験例をご紹介いたしましたが、IKEAの公式オンラインストアは少々制約があります。
ありていに言えば使いづらい、事実上カバーしない地域もあります。
記事内リンクはあくまでリアル店舗や公式オンラインストアが使えない方向けのものです。
- お住まいの住所が現時点でカバーエリア外、または送料が高額になるエリア
- いつまでも在庫がなくて困っている
- IKEAファンではないのですぐ買いたい
そういった方々向けです。
●家具であるIKEA製品をオーディオへ転用するときの条件
ご紹介にあたっては一定の音質(モデルによっては専用同等以上の)を確保した上で以下の条件を考えました。
- 専用同等の音質
- オーディオ専用、または自分でDIYや自作をするより確実に安い
- インテリアにも(スピーカーそのものにも)なじみやすい
その上で本来は家具であるための制約があれば明記しております。ご紹介モデルについてはデメリットがあればそれもメモしてありますのでその点もご参照いただければ。
自作DIYでは実現不可能な品質と安さ
なおスピーカースタンドやラックはオーディオでは自作・DIYの定番です。
それ自体がいい趣味、楽しみだと思います。腕があれば仕上げもいいものが。
しかし純粋に高音質を求めるならば、以下のIKEAの椅子やスツール・台にまったくかないません。
あまりに安すぎ、また材料も極めて良質で、しかも造りが頑丈だから。
以下のモデル群はホームセンターで材料を買うほうが高くつくレベルの安さのものを選びました。
なおIKEAのスツールそのものをDIYすることで更に高音質を狙えるモデルもあります。併せてご紹介いたします。
●格安IKEAの椅子やスツールがオーディオ専用と同等以上の理由
そもそもなぜIKEAスツール・台はオーディオ用として優れているのか。別に特殊な理由があるわけではありません。
安さの理由は販売数が桁外れに多いから(比較できないほど膨大)
簡単に申さば、
大量に作っている、そのため良質の材料を安く使えて製造コストも安い。
それだけです。
ただその「大量」の数が桁違いなのです。
IKEAは年商5兆円弱、企業としても有数の大きさ。
とんでもなく大量に作っているので良質な材料でありながら安い。しかも事故で訴えられたりしないよう頑丈に設計してあります。
いっぽうオーディオ専用のスタンドやラックは販売台数が極少、1ヶ月の販売数が数十台など普通です。
当然高額です、IKEAで数千円するものが簡単に数万円になります。利用しないのはあまりに損です。
また見過ごされていますが、オーディオ専用は音質のアピールがされながらも耐荷重は低い、つまり物理的な頑丈さをあまり考えていないものが多い。意外なほど形状も不安定なものもある。
実は音に影響があります。
IKEAは本来家具・スピーカースタンドへの代用は選び方がある
むろんスピーカースタンドとして代用する場合、オーディオとしていいことばかりではない。
なんでもそうですが良い点と悪い点があります。
安くて、頑丈で、シンプルデザイン。
しかし「本来は家具」。
頑丈でもスピーカーを支える板材がMDFのようにオーディオ向けではないものだったり、音を反射しやすいような形状。
これを避けないとオーディオ専用より安くても買う意味がありません。
あくまで「専用同等かそれ以上の性能」で「専用より安い」こと。
- 集成材かバーチ合板(スピーカーに使われる)のような響きのよいもの
- 脚が細いもの(ただし強靭・上質な材料)
これを選びたい。
だから家具としては良質でも、オーディオ用途には不向きなものは割愛しました。
ここではご紹介していないスツールや台がIKEAにはたくさんあります。
IKEAは訴訟を恐れる・頑丈で安定した構造が実現した「振動対策」
オーディオ専用との性能比較についてもうすこし。
安いことに加えて全モデルに共通するIKEAならではの特徴として
安定した(振動しづらい)構造
があります、特に子供や老人が使って倒れたり壊れたりする事故が起きたら、特に海外では巨額の訴訟を起こされるからです。
この点は設計段階から入念に対策されます。
- モデルの多くが耐荷重100kgまたはそれに近い設計
- 上記の設計のため堅牢な構造かつ強靭な材料を使っている
- 数年〜10年もつことを考え、極めて過酷な耐久テストを実際に行う
それでも現実にはリコールが起きている、逆にいえばそれほど頑丈に作るのは難しいということです。
なおオーディオ専用は「強靭な(重い)材料」と使うという以外は、ほとんどが上記のIKEA製品が目指す条件からは外れます。
例えば耐荷重は未公表か、あっても極めて軽い。耐荷重20kgと100kgでは構造が全く変わります。
耐久テストに至ってはまずしない。
スピーカーからの音を「極力反射しない」デザイン
加えて以下にご紹介したモデル群には
スピーカーからの音を反射しないデザイン
具体的には足が細くてそれでいながら強靭であること
を重視しています。
避けることができるなら、オーディオ専用でよくある極太の一本柱とかは外したい。
突き出た崖の上に家が建っているようなものだからです、いくら振動を受けとめるといっても限界はある。
ただし3本脚や4本脚でも太くなってはかえって良くない、「反射」という害がある。
音の反射は物理特性そのものが変わる要素だからです、インシュレーターやケーブル、電源タップなどよりもはるかに影響が大きい。
細くて強靭な脚を作るには上質な素材が必要となります。IKEAならばそういった材料を安く使えることは上記の通りです。
なぜ無印良品やニトリにはオーディオに代用できる家具がないのか
ではニトリや無印良品には同様のものはあるのか。
結論からいえばありません。
世界最大の家具メーカー、ではなく「世界有数の巨大企業」でなければ出来ないことだからです。
単純に家具だけで5兆円近い売り上げを持つ巨大企業だからこそできるのです。
潰れる前のシャープがいい時でだいたい年商4兆円でした、家具だけで5兆円がいかほどか想像もつきません。
それでこの価格になるのです。
オーディオ専用スタンドやラックの値段はある意味まともなのです、IKEAの値段が異常に安いだけです。
ニトリや無印良品とは本質的に違う部分でもあります。この3社はよく並べて比較されますが会社の規模が違いすぎる。
今のところ両社でオーディオスタンドに転用できるものは見当たりません。
おそらく今後も出ないでしょう。
SKOGSTA スコグスタ・「専用以上」の高音質スタンド
¥3,999(1本・70cm)
¥2,499(1本・45cm)
オーディオ専用を越える高音質「家具」・代用ならばまっさきに検討するべき
すでに書きましたので繰り返しは致しません。スピーカースタンドとして相当に高音質です。
はっきりいってブックシェルフタイプのスピーカーを買われる場合、
第一に検討すべき「スピーカースタンド」です。
高さ違いで2種類(45cm/70cm)があり、自由度が大きい。
- 極めて安価
- スピーカーからの振動に対して安定したかたち
- 重く良質な無垢材
当然ながらインテリアに馴染む落ち着いたデザイン。
小型ブックシェルフスピーカー向けスタンドとして最適の仕様です。
ブックシェルフ向けスピーカースタンドとしてもはや「標準」
代替スピーカースタンドの標準とよんで差し支えないと思います。
高さと天板の大きさ、そしてこのデザインがインテリアに合う場合、あえてオーディオ専用を選ぶ理由が思いつきません。
相当高価なスピーカーに使っても充分な音質。これよりはるかに高額で、しかし性能は及ばない専用アクセサリーはあります。
仮に同じ材料と作りでオーディオ専用として製造したらいくらになるのか。
安いというよりも常識はずれのバーゲンプライスといったほうがいいスツールであります。
NILSOLLE ニルソッレ・高ささえ合えば高音質スツール
¥4,999(1本)
アタクシの環境に対しては高さが高い(74cm)ことから購入しませんでしたが、この低床版があれば迷ったと思います。
専用スタンドを完全に越える剛性
耐荷重110kgはIKEAのスツール中でも屈指の頑丈さ。
オーディオ専用を完全に上回るだけの剛性があります。安定した造りというレベルを超えた高剛性。
代用オーディオスタンドでありながらレビューに「不満が皆無」
実際に使っておられる方も多数いらっしゃいますが、悪い評判が全くない。
「代用」という前提でありながらネットに満足レビューが多いというのは実は大変なことで、現物をみるとその造りが実感できます。
なお頑丈さのわりに足が細い、ますますいい。
反射(不要輻射)が減りスピーカーの音が理想的に拡がります。
天板は比較的広く(33×36cm)対応するスピーカーのサイズが多いことも利点です。
AGAM アーガム・子供向け椅子はオーディオ向け狙い目
¥5,999(1本)
最も安定したデザインと細い足・振動に強く音の反射がない
シート(天板)高さが52cmと比較的低いセッティング用です。
SKOGSTA(スコグスタ)の45cm高もありますが、かたちの安定度と足の細さによる反射の少なさではこちらが上です。
専用と比較しても音の反射は極小、理想的です。
なおシートバックは取り外し可能です。完全な台になります。
しかもシート面はわずかにスラントしております、スピーカーが微妙に上向きになるのでセッティングを追い込めます。
IKEAの子供向けチェアは堅牢・スピーカースタンドとして狙い目
なおそのかたちについてもう少し、シリーズ中最も末広がりのデザイン。
子供用チェアだからです。
これは振動を効果的に受け止め音質に貢献しています。
これだけ安定したデザインは専用でもまずありません。
IKEAはキッズ分野の製品を極めて慎重に設計しています、事故防止への配慮としてです。
つまり堅牢でありしかもひっくり返りづらいかたちであること。
なおアーガムはアタクシが初めてオーディオ専用からIKEAに変えてみたスツールです。
そのときの部屋のインテリアに対してアクセントが欲しくて赤にした。そういう選び方ができるのもIKEAのいいところです。
専用のゴツい鋳鉄スタンドに嫌気がさしていた時期で、最初は半信半疑でしたがすぐその実用性がわかりました。
数年使って不満はありません。
もしこの高さのスピーカースタンドが必要ならば、高価なオーディオ専用を買う必要はありません。
比べるならオーディオ専用ではなくSKOGSTA (スコグスタ)の45cmバージョンと比較すべきだと思います。
INGOLF インゴルフ・ハイチェア、ナチュラルカラー希望の向きへ
¥8,999(1本)
INGOLF(インゴルフ)はいくつかのラインナップがあります。その中でもブックシェルフ向けとしては上記のとおり子供用チェアがまず第一かと。
IKEA「子供向けチェア」かつナチュラルカラー
シート座面高さはAGAM (アーガム)と同じ52cm。なおこのスツールを選ぶ上では制約があります。
- シートバックが取り外せない
- オーク系の地味なナチュラルカラー
末広がりの安定した構造は他と変わりがありませんがシートバックによる音の反射を嫌うならばおすすめはできません。
ただAGAMのようなソリッドカラー(ブラック・レッド・ホワイト)は困るという方は一考の余地ありです。
付け加えるならこのシートバックまでを支える足がかなり強靭です、AGAMでは間に合わない身体が大きくなってきた子供向けであることからです。
オーディオ用として申し分ない剛性であります。
INGOLF インゴルフ(スツールタイプ)・中型スピーカー向け
¥3,999(1台)
中型スピーカー向け台として・耐荷重100kg
座面サイズが30×40cmのため、中型スピーカー向けです。
ナチュラルカラーが選べることが最大の特徴となります。
同様にお感じになる方がおられるかもしれないので付け加えますと、見た目の構造はIKEAスツール中最も弱そうです。左右に向けた補強が入っていないため。
しかしながら座ると全くグラつきません、こちらも耐荷重100kgです。
オーディオ専用についてちょっと申し上げますと、見た目はごついのに触っただけでユラユラするものがある。それはダメです。
BENGTHAKAN ベングトホーカン・中型スピーカー向け
¥2,999(1台)
すでにご紹介した通り、一見するとオーディオ用として心もとない外観ですが、実際には極めて能力が高い。ホーンの音像がぶれたりにじんだりしない。
実に気に入っております。
側板が抜いてあるので反射も抑えられている。
音を聴くと一枚の合板でここまでやるとは、とデザイナーの腕前にひたすら感心します。
材料選びも含め、強度と機能性を両立した秀逸な設計です。
足の部分が切り抜いてあり、反射と共振する部分が少なく、結果抑えられている。
しかも重いものを載せるほど安定する仕組み、まったくオーディオ向けです。
これで耐荷重110Kg。
個人的に今気に入っているモデルです。
オーディオ以外にいろいろと使いやすく、IKEAスツール(というより台?)中でも「買い」のひとつと思います。
高さ調整可能なスツールはセッティング重視・サラウンドのリアスピーカー向け
以下機種は用途限定でご紹介しています。サラウンドのリアスピーカー向けスタンドです。
上記にご紹介した椅子(スツール)群と違いそのままではグラつきます。
振動対策は劣るが高さ調整はミリ単位・サラウンド向け
最初にはっきり申し上げますと、高さ調整機構が振動対策の点ではデメリットです。
上記の製品群に確実に見劣りします。
あえて載せたのはセッティングの自由度がとても高いため。
オーディオ専用にまともな「リアスピーカー用スタンド」はほとんどありません。
置き場所にとても苦労するサラウンドスピーカー向けスタンドとして考えると評価が変わります。
空間オーディオ・Dolby Atmosなどはミリ単位で調整可能
サラウンド、つまり空間オーディオやDolby Atmosではリアスピーカーの「高さ」が音の拡がりに大きく影響します。
これらのスツールは狭い場所で特に高さと向きを簡単に細かく調整できるという点でおすすめです。
なお高さ調整機構がついていますがそれでも「耐荷重100Kg」クラスがほとんどなのはさすがです。
自作スピーカースタンドやDIYのベースモデルになる・天板の交換によって
なおこのメリット/デメリット双方をもつ高さ調整機構ですが
天板を交換することでオーディオ専用としての自由度が一気に上がります
最後の章で詳しくご説明します、この辺でおすすめスツールのご紹介を。
DALFRED ダルフレッド・セッティング幅最大
¥4,999(1本)
IKEAスツール群の中でも屈指のセッティング性を持つスツールです。スピーカーの向きと高さを追い込めます。
- シート(天板)高さはミリ単位で調整可能
- フットプリントは比較的小さい(しかし安定している)
- 高さは最小63cmから対応(最大74cm)
という調整力は、小音量中心で小型スピーカーを追い込む楽しさを知っているなら試したくなるものです。
シート直径は30cm、フットプリントは50×50cm。耐荷重100kgとなります。
GRAVAL グローヴァール
¥8,990(1本)
最近追加されたモデル。シートは一枚の合板を曲げて背もたれとシートを一体化しています。
INGOLFと同じくちょっと大きくなった子供向けを想定しており頑丈です。
耐荷重100kg、木部は全てバーチ合板で音質的には良好な材料です。
四方に広がった足はスピーカーの振動に強い仕様。
モデル特有のデメリットはシートバックが取り外せないこと。そしてフットプリントが大きめ(55×55cm)であることです。
ただこのシートバックを利用して低音を稼ぐ手法はあります。
KULLABERG クッラベリ・調整で床面に完璧に接地させられる
¥4,999(1本)
天板がフラットではない・DIYで強力スタンドに化ける
本モデルは上記機種と比較してもメリット・デメリットがはっきりしています。
- メリット:調整可能な足により床と完全に接地させられる
- デメリット:天板がフラットではない
天板の直径は34cmのため大きさの点でほとんどの小型スピーカーをカバーしますが、中央に向け凹んでいるためスピーカーと天板の間に隙間がでる。
DIYや自作で化ける改造前提スツール・ミリ単位調整そして反射極小
また耐荷重は110kgと相当頑丈ですが、パイプ部の鳴き止めなどが必要になる可能性があります。
ただ足の反射は極小であること、そしてフットプリントが小さくサラウンド用に好適であることは他機種にない利点です。
天板のDIYによってオーディオ専用にはないスピーカースタンドになる仕様。
いずれ使ってみたいと思っております。
ご注意:改造はあくまで自己責任でお願いします。
リアスピーカーの置き場に困るホームシアター
繰り返しますがホームシアターや空間オーディオはリアスピーカーのセッティングが難しい。
置き場所がない。
リアスピーカーは高さと向き調整だけでも改善できる
雑誌やメーカー推奨のセッティングを出来る人はほぼいないと思います。
リアスピーカーはホームシアターが普及しない一番の理由ですが、数十年間完璧に無視されて今に至ります。
ただ新方式が発表されるたびに、スピーカーの数だけが増えていく。
サウンドバーではどうしても限界がある。反射で同じ効果を出すとかいってますが、それはさすがに無理があるというもの。
リアスピーカーはわずかな位置の違いが音の立体感に大きく影響する厄介な要素です。なんとかしませんと。
リアスピーカーの音は「フロントスピーカーの音に位相差・距離差をつけた」もの
部屋は狭い、リスナーからのスピーカーまでの距離はある程度以上はどうしようもない。
しかし高さと向きを変えるだけでも効果はかなり変わる。
「後ろの音を録音してリアスピーカーから出している」わけではないからです。
よほど特殊な録音(環境音など音楽ではないもの)でない限り、
サラウンド、つまり空間オーディオ・Dolby Atmos・360 Reality Audioでは
リアスピーカーから出る音は全て
「背後の音を録音して出している」のではなく
「フロントスピーカーの音に位相差・距離差・時間差をつけた音」です。
理論的な話はこれ以上取り上げませんが、結論をいえばリアスピーカーの高さや向きの調整だけでもかなり変化させられます。
ここにイケアの椅子を使う理由があります。
スピーカースタンドは5.1chで4本、9.1chで6本必要(絶対置けない)
昔からあるのがブラケットで壁にスピーカーを固定する方法ですが、これでは簡単な位置調整さえも無理。
そもそもスピーカーが頭の上に位置するので(頭の高さでブラケットを取り付けるとぶつかるので生活に支障がでる)本来のマルチチャンネルからは外れた音になります。
かといってオーディオ専用のスタンドは気が進まない、フロントも含めれば5.1chで4本ですから。
Dolby Atmos(Appleの空間オーディオは基本このフォーマット)は前後左右に上下で9.1ch。
フォーマットには天井への設置も含まれるとか、どうやるかなど考えたくもありません。
ホームシアタースピーカー設置の記事には現実性が無い・サウンドバーが売れて当然
ゴツい専用スタンドを4本とか6本置くとか、そんな場所あるわけがないじゃありませんか。
しかもスタンドだけで10万〜数十万円というワケのわからない予算が必要。
どう考えてもバカバカしい、AVアンプのハイエンドモデルを買ったほうが利口です。
そもそも75インチの液晶TVが20万円しない時代です、65インチなら10万円以下。
スタンドを買うぐらいならテレビをデカくするだろって。
大真面目でスピーカーの配置について解説した記事を読むたびに「本気で言ってます?」といつも思ってしまう。
サウンドバーが売れるのは当たり前です。
リアスピーカーに関してIKEAのスツールもベストではありません。
ただ専用と違いストレスがない、家具ですから。
しかも格安。
それでいてリアスピーカーの向きも高さもかなり調整幅がある。
空間オーディオ、つまりサラウンドはリアスピーカーの位置や向きでかなり効果が変わりますから検討の余地はあるのではと。
高さ調整可能な椅子やスツールはDIや自作には最適
これはあくまで各個人の責任において行っていただくという前提で、繰り返しますが上記の高さ調整可能なスツールはDIYの素材としてかなり魅力的であります。
一言でいえばシート面を取り替えるということ。これでピュアオーディオ向けに生まれ変わる。
天板を簡単に交換できるモデルはDIYしやすい
既存のシートを取り外し、スピーカーにジャストサイズの天板に交換することも可能。
シート座面がフラットではないKULLABERG(クッラベリ)をあえてご紹介した理由です。
- 手持ちスピーカーにジャストサイズの天板へ交換できる
- 高さ調整は自在
- 足回りは細く反射が極めて少ない
というスタンドが出来上がります。
組立説明書をご覧いただくとわかりますが、天板は4つのネジで固定されています。
ネジの規格もダウンロードできる。
つまりこの部分を極厚ベニヤ板や集成材で交換できる。その気があればもっと重い素材でも。
DIYにありがちな「素人工作」に見えないのでインテリア面でも問題がない。
スピーカーを鳴らした時パイプ部が共鳴して鳴く可能性がありますが、漏れない工夫をした上でホームセンターの川砂などを入れれば対策可能と思います。
実際IKEAの家具をDIYする人は世界中にいて、海外ではホビーとして定着しています。
オーディオの自作やDIYは散々やりました。
例外なくふためと見られないような格好になってしまいますのでやめましたが、IKEAのスツールをベースにすれば仕上がりがきれいです。
休日のちょっとしたお楽しみに。
正直な気持ちを申し上げますと、インテリアと持っているオーディオ機器にデザインが合うならIKEAの椅子やスツール、台をオーディオ用に使いたいというのが本音であります。
オーディオ売り場のスタンドとかアクセサリーコーナーとIKEAの店内の雰囲気を比べてください。
オーディオ向けは雰囲気が暗い、なんだかおどろおどろしい。
あの雰囲気が部屋に入ってくるのが嫌なんです。