ワイヤレスは音質に上限があるもののあまりに便利です。Bluetoothレシーバーはよく探しております。
気に入ったヘッドフォンやスピーカーをワイヤレス化できるし、マーケットが大きいため開発競争が激しい。おかげで音質制限の大きいBluetoothでありながら、おやと思うような音があります。
興味半分で調べていたら倒れそうになりました、自分が2万円で買ったXHA-9000が¥4,980(リンク先:Amazon)になっていた。
デジタルガジェットではよくある大暴落ですがしょうがない。まあ4分の1になるとは思いませんでしたけれど。
仕方ない、投げ売りですが本物のゆえんについて。
有線イヤホン/ヘッドホンの高音質ワイヤレス化として
最初に申し上げますと、これが五千円を切ったというのは性能とは全く別の理由です。
名前を変えただけのAK XB10は現地で129ドル(¥14,190)。本機は5000円前後のレシーバーとは比較にならない高音質です。
ものはためし、P5S2(有線)+XHA-9000とP5wireless単体での比較もしてみました。
BluetoothレシーバーというよりAstell&Kernワイヤレス ポータブルアンプ
おこがましくも結論づけましたが現時点でBluetoothレシーバーを買うならXHA-9000(つまりAK XB10)しかないです。
- @5,000以下
- 充電中も使えるフルバランスアンプ
- Astell&Kernのポータブルアンプ
上記に付け加えるなら音は途切れづらい。
嘘のような値段です、家族や知り合いがAstell&Kern以外のメーカーに勤めているから義理があるなんてことがない限り選ぶべきかと。
なおこのXHA-9000とAK XB10の中身は全く同じであります。せめて何か差をつけてくれればとも思いましたが。
XHA-9000・設計はAK XB10と同じ(現在129ドル)
2016年発売のXHA-9000が型番のみ変わったのがAK XB10であります(2020年発売)。新しい型番とともに値段もどーんと以下に変わった。
- AK XB10 :@129ドル
- XHA-9000 :@19,800円(2016年) → @4,980円(こんにちただいま)
繰り返して書くだに気を失いそうですが、ともかくアタシはXHA-9000を2万円で買いました。
そのときはこの音なら出す価値ありと思ったってぇわけです。
ヘッドフォン・イヤホンに関して徐々に金銭感覚がマヒし始めていた時期でもありました、安いものから高いものまで聴きまくった時期です。
両方とも中身は全く同じ、シーラスロジックのCS4350を搭載しています。
安いBluetoothレシーバーに入る石ではない、コーデックもapt-X HDまで対応です。
Astell&KernもXHA-9000の名前のまま値段は上げられないでしょう、それでAK XB10としたものかと。
(予測)大幅プライスダウンの理由はおそらくSoftbankとの契約からでは
75%オフの理由は明らかにされていません、ただ不良の話が全くないのでそういう要因ではない。
恐らくですがXHA-9000はSoftbankブランドで出していたことから、見込み販売台数が多すぎたのかも。Softbankとの契約があったのかもしれません。
もしそうなら契約の台数を処理するまでとにかく安くしてでも売るしかない。
残っていた画像で気づいたのですがAV Review誌の2017年アワードをとっていた。雑誌やメディアの露出も多くかなり販促に費用を投じていたようです。
ヘッドホン・イヤホンも今以上にブームでしたから見込み販売数もさぞ多かったことでしょう。
少なくともOEMの商売で計画台数の大幅未達は相当モメる話です。
内蔵チップセットのコストダウンと元々の価格が高すぎたことも影響していると思われますがそれだけでは到底説明がつかない。
これでUSB-DACがついていれば少しは違ったでしょうが、その辺りも商品力に繋がったのかもしれません。
仮に今2万円のポータブルアンプならばUSB-DACがついておりますから。
買った後、あればよかったのにと思った部分ではあります。
音はBluetoothレシーバーとして一線級・バランス出力端子あり
では音はどうなのか、購入前にいろいろ確認した限り以下の前提、
- ポータブルアンプ(ポタアン)は大きすぎる
- バランス出力端子が欲しい
- 充電中でも利用できる
では現時点でも一線級とはっきり申し上げられます。と言いますか¥5,000を切る価格でBluetooth付きのUSB-DACなんてあるのかしら。
無論5万ぐらいのポータブルアンプのほうが音はいい、しかしスマートフォンと同じぐらいの大きさというのは使い勝手として限定されます。
その点FiiOのQ3は小さくてとてもいい、軽さと駆動力が人気の理由です。ただ有線ですからワイヤレスとは取り回しが全く異なる。
XHA-9000を気に入っているのは軽いこと。有線専用モデルは高音質が多いのですが、ワイヤレスの良さを実感できる。
元々の購入動機も当時iPhoneからヘッドフォンジャックが無くなったため、手持ちのヘッドフォン・イヤホン(10数本ある)をワイヤレスで使いたいと思ったのが理由ですから。
通勤で手軽に使えて音質を最大限追求するとなれば、当時これしかなかった。
ポータブルアンプを除きほとんどの高音質用途でのBluetoothレシーバーは現状も1万円以上です、XHA-9000のような事例はしばらく出ないと思われます。
B&W P5 series2+XHA-9000の組み合わせをBluetooth内蔵モデルと比較
ところで同じ予算ならどちらのほうが音がいいのか。
- Bluetooth内蔵イヤホン・ヘッドフォン
- 有線イヤホン・ヘッドフォン + Bluetoothレシーバー
Bluetoothレシーバーを買うとき気になる条件だと思います。
たまたま手元にあるおかげで結果として、P5 series2をXHA-9000でワイヤレス化した場合とP5 wirelessの比較ができた。
P5の有線・無線比較では有線をXHA-9000で駆動した方がはっきり迫力があります。トータルで見てこちらがいいとしか言いようがない。
音を聴く前に確認できた仕様上の違いは以下になります。有線であるP5S2は微弱な音楽信号にとって不利な要素となる配線長(ケーブル長さ)や接点の数が圧倒的に多い。
P5 series2+XHA-9000はわかりやすく拡がる
その上での試聴です、音質は主観が大きいのでひとつだけ。
P5 series2 + XHA-9000で聴くほうがP5 wirelessよりも明らかに音が力強く、しかも拡がります。
おそらくXHA-9000/AK XB10クラスでその他有線ヘッドフォン・イヤホンをワイヤレス化した場合、最低でもBluetoothワイヤレス仕様モデルと同等はいけるだろうと思います。
その他手持ちの数種類のイヤホン・ヘッドフォンは皆そうでした。なおP9signatureでもよく使うのですが(寝そべって聴くのに最高)実によろしい。
Bluetoothイヤホン内蔵アンプは高音質ではない・小さすぎる
ヘッドフォン・イヤホンに内蔵されるアンプはごく小さい、小指の爪ぐらいの面積です。
そうでなければハウジング内に入らない。
一方Bluetoothレシーバーはアンプ部にゆとりがあります。電源からしてまったく別ですから。
Bluetooth内蔵型よりも有線イヤホン+レシーバーのほうが接点が多くケーブル長も長いことからP5 wirelessのほうがクリアに聴こえるかもしれないと思いましたが、その利点は感じ取れなかった。
有線イヤホン・ヘッドフォン+高音質Bluetoothトランスミッターは明らかに音がいい
XHA-9000で駆動するほうが音質的には明らかに優れていた。
恐らくではありますが、その他の良質なBluetoothレシーバーと高音質の有線イヤホン・ヘッドホンの組み合わせにおいても近い結果になるのではないかと思います。
10年ぐらい前、つまりイヤホンもBluetooth搭載機種が今ほど多くないときからBluetoothレシーバーは幾つか試していますが、Bluetooth内蔵モデルよりも音に迫力があることのほうが多いように感じます。
特にヘッドフォンは好みのものが全てワイヤレスバージョンがリリースされているわけでもありません。
なおAirplayの設定が面倒くさくてApple TVの音声をXHA-9000で出していた時期もありますが、低音の迫力もありいい感じでした。
BluetoothレシーバーというよりBluetoothポータブルアンプとして手軽さと音質が両立しています。
ここまで書いてバランスは一切試していないことに気づきました、P9 Signatureはバランスケーブルが出ておりやってみようかと思いつつなんとなく現状で満足しております。
やってみようかしら、そうでもしないと元が取れません。
世の中知らないほうが幸せなことがあるもんです。