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B&W 800シリーズがD4へモデルチェンジ・リーク情報まとめ

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「ハイエンドスピーカーの標準機」であるB&Wの800シリーズが全面リニューアルとなります。海外ではディーラー経由と思われる仕様に関する詳細なリーク情報が出回っています。随時更新予定です。
なお偶然ですが今回D4について調べていたところ分かったことがあります。

B&Wは昨年唐突にSound Unitedに買収されましたが、そのきっかけは前の親会社であるEVA Automationの破産が原因でした。

D4をふくめここ数年の開発、そして販売政策に大きな影響を与えた可能性があります。

調べたらちょっと驚く内容でありました。負債の金額ももし現地報道の通りならばちょっと厳しい金額です。TANNOYもGibsonに買われておかしくなりましたが、こういう大切なブランドを食い物にしてしまうファンドもあります。

800D4シリーズのデリバリー時期・日本発表は?

グローバルに本年9月1日からのデリバリーとのこと。日本公式サイトでも正式発表が行われました

Via”New Bowers & Wilkins 800 Series D4 Range Revealed”(Stereonet official website・https://www.stereonet.com/news/new-bowers-wilkins-800-series-d4-range-revealed)

Bowers and Wilkinsは800のリニューアル後に700・600とミドルエンド以下を更新していきます。これらの音のアッパーを決めるのは800シリーズの出来栄えです。

2021年末から22年にかけてはこちらの動向も見ていきたいもの。

Diamond 4の設計コンセプト・デザイナーは?

なんとロシアのサイト。公式にもない画像を容赦なく載せてきています、さすがはロシア人です。

Bowers & Wilkins анонсировала четвертое поколение акустики 800 Diamond
Компания Bowers & Wilkins представила новое поколение акустики 800 Diamond. В не...

Via ”Bowers & Wilkins анонсировала четвертое поколение акустики 800 Diamond” Stereo&Video official website(https://stereo.ru/news/bowers-and-wilkins-800-diamond-d4-speakers

デザインは一見現行D3に近いが全てを細かくアップグレード

前モデルに引き続きNative designが担当したかどうかは現在不明。見る限り現行D3のデザインを踏襲しているようにも見えます。
しかし外形サイズについては奥行きが深くなるとの情報があります。

内部構造体にアルミニウムの使用が増えるらしい
ラウンドしたバッフルデザインに多用されるようです。

カラーは現在4色判明

  • グロスブラック
  • ホワイト
  • サテンローズナット
  • サテンウォールナット

ユニット・振動板のテクノロジーは?

中心のテクノロジーであったダイヤモンドツィーターとContinuumコーンは一見変わりませんが、マウントする手法など、基本の部分にかなり手が加えられます。

応答性とダイナミックレンジ拡大が今回の主目的となっているようです。
キャビネットなど振動系を保持する部分の剛性を高め、その上で振動板をよりフリーに動かせるようなモデファイとなっています。

800D3からは単に解像度が高いだけでなく、音の強弱表現がこれまでにない次元に高まりましたが、今回はどこまで良くなるか。

ダイヤモンドツィーター、Continuumコーン・動作支持系統をリファイン

入力信号に対して振動板をさらにフリーに動かす設計です。

  1. ダイヤモンドツィーターのクオリティアップ・『Solid body Tweeter-on-Top-housing』テクノロジー
    • ダイヤモンドツィーターの振動板そのものはサプライヤーを含めてD3と同じ。厚みは40ミクロン、最高共振周波数は72kHzです。
    • アセンブリされるチューブは形状変更され長さもに延長されています。
    • ミッドレンジであるタービンヘッドとの支持方法は2点に改良。『Solid body Tweeter-on-Top-housing』とのこと。
  2. 『Biometric Suspetion』システム・ミッドレンジのレスポンス向上
    • Continuumコーン自体が更にアップグレードされているらしいのですが、材料・製造方法共に完全に非公開。
    • ミッドレンジの具体的なアップグレード技術としては『Biometric Suspetion』システムが公開されています。
      従来のスパイダーサスペションに対して更に反応が柔軟になり、しかもキャビネット内の背圧を効果的に減衰させるテクノロジーのようです。
    • Fixed Suspension Transducerは従来通り。
      前作と同じくD4のミッドレンジはユニット後方からスチールロッドが伸びており、アルミ削り出しのタービンヘッド後方にユニットを固定します。
      ダイヤフラム周りは特殊なポリマーリングで構成されています。
  3. 背面のアルミ塊はD3から継続ですから、前後を連結するとユニットの動特性は高精度なものとなるでしょう。
  4. 低域のAerofoilコーン構成は変わらず(カーボン+シンタクティックの複合材)、ただしセンタープラグは見直しが行われています(アンチレゾナンスプラグ)。
    ウーファーマグネットは画像から確認する限りネオジウムです。

アルミ構成部を増やしMatrix構造の剛性を強化

エンクロージャはアルミ部分増による剛性強化が中心。フロントバッフルはほとんどアルミとなりました。

  1. ウーファーセクションはフロントバッフルならびに上部のアルミ部材使用が増え、D3よりも高剛性とされています。
  2. 従来上位機種のみであった『Reverse Wrap cabinet』は804D4と805D4にも採用。
  3. 木部の加工精度は±0.2mmの公差管理。

この手の振動対策はやるだけ効果が出ますが、B&Wが採用した方式はエンクロージャー全体の精度が問われる難しい仕様です。経時変化で音が変わる可能性がある。

これだけ大規模かつ複雑な構造のスピーカー、しかも異種素材を組み合わせているため、単純に精度を高めるだけでなく環境要因による各素材の膨張・収縮についても知見が必要です。

ミッドレンジでいえばアルミ素材であっても、経時変化に伴いタービンヘッドとユニット後方を連結するロッドに掛かるテンションも変化するからです。

一方でB&Wでは金属と木という異種素材の組み合わせによるMatrix構造は音質対策上不可欠としています。このため今回エンクロージャの木製部分の加工精度を更に高めてきています。

価格情報・新800シリーズは全7機種ラインナップ

800シリーズは合計7機種が用意される模様です。
フラグシップは801D4となります、これが旧「800D3」の後継です

ドル、ポンド、円での価格比較・旧800D3比で16〜30%の価格UP

価格については以下(ドル表記)、全ての通貨ベースでD3時代より上がっています。

Via”Bowers & Wilkins価格表”(D&M Holdings Inc official website https://dm-importaudio.jp/vc-files/price/web_price_sheetBW.pdf)

Via”New Bowers & Wilkins 800 Series D4 Range Revealed”(Stereonet official website https://www.stereonet.com/news/new-bowers-wilkins-800-series-d4-range-revealed)

希望小売価格情報が錯綜(事前リーク・雑誌・ディーラー)

なお国内価格については公式サイト・メディア・販売店ともに少しずつ価格が異なり情報が錯綜しておりました。上記価格は最終の確定情報です。

9月3日付発売の「Stereosound」誌に掲載された価格(P191)は国内販売店が自社Web上で公表した希望小売価格とは異なっておりインポーターの価格政策がかなり最近までブレていた可能性を伺わせます。
おおむね情報UPのタイミングが新しいほど価格は上がっている。

改めて価格UPするのではないか・800、700、600全シリーズで

以下はあくまで個人的な予測です。
今後もB&W製品はメーカー方針による価格改定、つまり値上げの可能性が高いのではないでしょうか。
というのも製造業全般に、材料・製造・運送コストは今後も上昇可能性ありという見方が強いからです。少なくとも部品関連の新規見積もりは製造コスト上昇前提で価格提示を行なっており、落としどころはどこかがわかりづらくなっている。

インポーターたるD&Mホールディングズとすれば短期間のうちに再度の値上げをすることは避けたいと考え、それが事前リーク情報と確定した価格の差となったのではないでしょうか。
それが複数の価格情報が出回り、また最終的に801D4で500万を超える希望小売価格となったのではないかと。

801D4は500万超え・比較対象のハイエンドスピーカーが変わりそう

正直申し上げますと、20%以上の値上がりはB&Wの競合スピーカーの顔ぶれが変わることにつながるだろうなと感じています。

ソナスファベールでも上位機種、そしてこれまで微妙に比較対象からは外れていたスピーカーメーカー。

初代801のノーチラスシリーズ以降800D3シリーズまでB&Wは「予算無制限」という分野とは距離を置くメーカーでした。
常にこの音でこの値段は納得できる、と思わせてきた。周辺機器も高級プリメインや普及価格帯のセパレートでさえもそれなりに音が出てしまうというところがあって、いい音を聴く道具という側面を常に持っていた。

例外はオリジナルノーチラスですがあれは本体も1000万越え(¥12,100,000)しかもマルチアンプ専用であり、B&Wは意識して800シリーズとは違う「無差別級」であると示してきました。

それがD4からは少し変わるのかもしれないと感じます。遠からずMAGICOYG AcousticsMARTENと正面から競合するシリーズになるのかも。

個人的にはここ数年のミドル〜ハイエンドオーディオの高価格化から意外性はありません。現実に800シリーズを購入するオーディオファイルはこの価格アップをあまり問題にしないと思います。

ただ比較検討するスピーカーメーカーの顔ぶれ、もっといえばそれらの音は変わるだろうなと。
多分雑誌やメディアを見るだけでもわかるほど楽しくなるだろうなと思っています、B&Wは価格も含めて手堅いポジショニングだっただけに勢いづく競合メーカーが現れるだろうから。

B&W800を超える「標準機」はこれだ、というハイエンドスピーカーが出てきそうな気がするのであります。
今回のスペックと価格を見て、とっさにパラダイム(Paradigm・カナダ)を連想しました。特性重視という点ではかなり近いものを持っています。

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Bowers and WilkinsはEVAからSound Unitedへ・買収続きの理由と影響は

なお800D4にはひとつ大きな懸念材料があります、「D3のときと同じ開発環境であったのか」ということです。

ここ数年Bowers and Wilkinsは経営として安定しているとはいえない状況でした。買収により経営母体が変わり続けたからです。製造業、特にハイエンドオーディオのような地味に技術を積み重ねる分野では好ましくありません。

後述するここ数年の事情から価格政策にも影響を及ぼしているのではないかとすら思うほどです。

現在はSound Unitedグループです、DenonやMarantzと同じ。かつてB&Wの傘下であったClasseも2018年にグループ化され、今Denon白河工場で一部機種の組み立てが行われています。

800D3系はEVA買収前に開発が終わっていた

旧モデルとなる800D3は2015年までにおおよそ開発が完了しています、つまりオリジナルノーチラスから変わらず続いたB&Wの開発体制の元に成立したモデルでした。
デザイナーもモートンウォレン率いるNative Design絶頂期の作品、音とかたちの両方が考えぬかれたほとんど逸品と呼んでいいもの。

跡を継ぐ新しいD4シリーズは今を遡ること6年前、つまりD3の開発がおおかた完了した2015年あたりから設計が始まったようです。

時を同じくして以下のような経営上の変化が生じていました。

開発チーム、予算規模そしてそもそものコンセプトなど。傑作と言われるD3を開発した時期との違いが気になる。

EVA破産によりSound Unitedに経営が移ったというのが真相

2016年は800D3が発売されるとともにEVA Automationが同社を買収するという慌ただしい1年でした。

このEVA Automationは買収2年前の2014年にシリコンバレーで設立された会社です。オーディオ向けワイヤレスネットワーク技術の開発を行うベンチャーキャピタルとも言われ、実際にシリコンバレーのキャリアあるエンジニア(その何人かはAppleから移籍した人々)を擁して事業の将来性を喧伝してきました。

しかし2020年に破産申請を行っています。このタイミングでSound Unitedに経営権が移りました。

一説には開発実態があまりなかったようだとしている情報もあります(以下Smart house official websiteより)。

創業者はGideonYu氏。Facebookやyahooの財務経営を歴任し、セコイアキャピタルのパートナーとしてYoutubeをGoogleへ売却する際の交渉にも携わったというキャリアの持ち主。

数々の実績により企業買収や投資の世界では一流の人物です。

破産したEVAにとって最大の債権者はB&Wではないかとの現地情報

気になるのは次の点、

EVAの破産に関して同社の債務はBowers and Wilkins名義ではないかといわれているとの情報です。

“(The filing did not identify who )their largest creditor is however ChannelNews has been told that it is Bowers & Wilkins.”

Via”EXCLUSIVE: Bowers & Wilkins Investor Files For Bankruptcy”(Smart house official website・https://www.smarthouse.com.au/exclusive-bowers-wilkins-investor-files-for-bankruptcy/)

まず誤解なきよう申し上げたいのは、北米の新興IT関連の企業で事業実態がないというのは普通にあるということ。
クラウドファウンディングという形態でわかるように最初に投資を募るのは普通です。

それはわかりますが、上記の破産に関する情報が正確であったと仮定して、

買収された会社(B&W)が4年後に親会社(EVA Automation)が破産した時その最大の債権者となっていた

という場合、例えば日本国内の似た事例であればその4年間はいろいろな意味でハードであった可能性はあります。

上記の記事によれば昨年12月の時点で、裁判所において資産や債権の詳細は特定されていないとのこと。

なお2018年から2020年までCEOだったGregory Lee氏はプロフェッショナルの経営者です。長く北米SamsungのCEOだったとのことでその手腕を見込まれたと思われます。
エレクトロニクス事業のマーケティングでは間違いなく一流ですが、ハイエンドオーディオという地味で継続性が求められる事業とどのように関わったのかは不明です。

仮にEVA AutomationがB&Wを買収後、経営数値をよくしたいと考えたならば、当然ながらB&Wの運営自体を「効率化」したかったところでしょう。
実際にEVAに経営権が移ってからは退職や解雇が続いていたとの情報があります。

800D3を初めて聴いたとき、使い古された言葉ではありますが「これまでとは次元が違う」と感じました。
ダイヤモンドツィーターの高性能がアピールされていましたが、技術力もさることながらBowers and Wilkinsが長期間にわたって地味な積み重ねによって得たセンスを強く印象づける音でした。

そして実際に2016年の登場から現在にいたるまで800D3シリーズはそれまでのB&Wになかったような評価をもたらしたと思います。
トップエンドがアップグレードした影響から700・600シリーズの音も明らかに一段上がりました。

同時期に進出したモバイルオーディオ分野において、それまでの高額ヘッドホンにはない音楽性がある、と評されたあのセンスです。

音とデザイン、ブランド全体として完全にハイエンドスピーカーの「標準」としたのが800D3シリーズだと思います。

おかしな言い方ですが、この時期にマクラーレンやBMWなどへハイエンドな車載オーディオの採用が進みました。

一方で中国ではB&Wヘッドフォンの偽物が作られ、現地では(かなりの)人気であったことは、800D3系がB&Wのアイデンティティとして世界中で認知されたというその現れかと。

しかしEVA Automationの破産以来、すでに役員の何人かは会社を去ったとも言われています。買収が続いたことによる変化がこの6年間にわたるD4シリーズ開発、そして同社全体の士気にどのように影響したのか、これはB&Wのスピーカーを検討するなら慎重に見極めたい要素です。

新CEOのDavid Dugginsは企業再建の専門家

日本の報道ではCEOとしてGeoff Edwards氏の名前が前面に押し出されていますが、現実のB&W運営においてはDavid Duggins氏がより重要であるようです。Sound United社との買収交渉に当たった人物です。

企業再建のプロとして長年の実績があり、「What Hi-fi」の取材に対しても

“restructuring professional available for Board or Advisory roles in companies undergoing restructuring, re-financing or sale”
Via “Bowers & Wilkins CEO resigns, restructuring expert appointed” What Hi-Fi? Official website(https://www.whathifi.com/news/bowers-and-wilkins-ceo-resigns-restructuring-expert-appointed

と応えています。「restructuring」は日本ではリストラとしてイメージは悪いですが、ここでは良い意味としての再建という意味です。今B&Wにはこの分野のプロが必要なのかもしれません。

“Bowers & Wilkins CEO leaves amid restructuring”
Via AVForums(https://www.avforums.com/news/bowers-wilkins-ceo-leaves-amid-restructuring.17270)

このあたりも継続して情報をアップデートできたらと思います。

800D4のリリースということでやれうれしやと思っていましたら、昨年はB&Wもいろいろあったのですね。ソナスファベールとマッキントッシュの関係も意外でしたがいやはや驚きました。

B&Wは本当に標準機的なスピーカーで、ハッタリのない当たり前の音をハイエンドまで押し上げたメーカー。

アタシ的には変則的ながらヘッドフォンでひいきです。音色とクオリティは違う要素だと区別して考える「ハイエンド」なメーカーです、しかも今回はシリーズ全ての音の基準である800系の新型です。
これをベースに600も700も音が決まる。

オーディオ全体で見ても各メーカーがリファレンス、あるいはベンチマークとしている保守本流です。

すでにネットではその兆候が見えますが、モデルチェンジの内容がどちらかといえば保守的であることや価格の上昇について世評は辛くなりがちになっています。

所得は到底及ばないながらファンのアタクシとしてはいいと思いたい、それだけにD4の実際の音については

800D3よりもクオリティが上がったのか
それとも音色が変わったのか

このあたりは気をつけて聴いてみたいと思っております。

ヘッドホン・イヤホンは競争激しい分野にもかかわらずハイエンドの認知を受けた。でもそれは全部800シリーズから降りてきた技術とセンスです。
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