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新804が際立つB&W・D4への買い替えは少しだけ待つべき理由

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さてB&Wであります。2022年最も注目です。
800シリーズの新シリーズD4とは。

わかるのは「マイナーチェンジ」だということ、804はよかった。
しかしD3から変えるべきか、と言われれば判断は実に難しい。

絶賛レビューばかりですが、プロの評論家でも本音は答えづらいのではないかと。

ご検討の方は世評がどう定まるのか1年ぐらい待ったほうがいいのではとすら思いました。
わずかでも旧D3を評価する声が出たら、それは注意するべき情報です。その理由について。

旧800D3シリーズ比でレスポンス向上・でもマイナーチェンジ

一見旧モデル、それでいて音は変化した。
正直なんといっていいかわからない新型、B&Wで初めての感触です。

激変は言いすぎだが音は変わった・トータルの変化は小さい

音についてはもういろいろな感想が上がっています、レベルの上がった項目が多い。

  • シャープな音像
  • 音場の広さ
  • 滑らかな音色

このあたりはもういうまでもありません。会議室という条件を思うとあのデモの音は逆に凄い。

ただデザインはこの通り。

ピュアオーディオの分野ではどう言葉を尽くしても、これは「マイナーチェンジ」です。

D3と変わったという人は、ピュアオーディオにおけるデザインにはさほど興味のない方と思います。

トータルでみて変化は小さいとすべきでしょう。

ダイナミックレンジはわかりやすく拡大

新型はとにかく音の反応の良さとリアルな強弱感

スパッと、ポンと、低音が出る。
それでいてごく小さな音がふわりと、でもくっきり出る。

やるなあと。

最近のハイエンドはコーン型ユニット(ダイレクトラジエーター)なのにあたかもホーンドライバーのごとき音を出す。
B&Wも傾向は同じです。

といいますかD3シリーズからB&Wがそういう流れを作っているような、そんなイメージすらある。
正真正銘のハイエンドであります。

D4は徹底的に「振動系を軽く動かす」設計

Bowers and wilkinsは軽い振動板を使わない。
かつて隆盛を誇ったJBL・ALTEC・TANNOYあたりとの一番の違いです。

重い振動板を軽く動かす・英国スピーカーの伝統芸

タンノイのような古典派(そして今のFyne audio)など一部を除き、お国柄として振動板そのものは重たい素材を使う設計が多い。

小型スピーカーが多く、しかも低音の特性を重視する気風が理由です。
大型を手がけてきたBowers and wilkinsも「高能率」という手法は今に至るまでやったことがない。

そのぶん振動板の動かしかたは技ありです、

狙った周波数で重いものを速く動かすテクニックを磨いております。

D4も振動板そのものは軽量ではありません。しかしそれを動かす駆動部分が極めて軽い。

今回の800D4シリーズはその点を前例がないほどに追い込んでおります。

ハイコンプライアンス・フラフラに軽い振動系を高剛性キャビネットで支持

これまでも同社の振動や共振をコントロールする技術センスは群を抜いていました。

しかし今回の

  1. 新型ダンパー(バイオミメティック・サスペンション)とエッジ素材
  2. ダイヤモンドツィーターの背圧低減(チューブ長を延長)
  3. 正面バッフルを中心にアルミ部材の構成比率が増えた

主にこの3点で練られています、D3の上を狙っているのがわかる。

振動系の動きをフラフラといっていいほど軽くしたいわゆる「ハイコンプライアンス」。
支えるキャビネットは動く部分をとことん抑え込む設計。

微小信号を正確に再現します、なるほど旧モデルからみてシリーズ全体で彫りの深い音になったように感じるはずです。

新ダンパー「バイオミメティックサスペション」は細くて強い

新型ダンパー(細い円形のもの)
旧型ダンパー(黄色い部分)

これが新旧ダンパーの比較。

新型バイオミメティックサスペションは一見して細い。
かつてこれほど細い支持部分のユニットは見たことがないと思います。

その昔ビクターが使っていたスパイダーサスペションをギリギリまで細くしたような形状。
傾向違いながら、いにしえのローサー(Lowther)を連想してしまった、フラフラです。

B&W独自(特許)の特殊な樹脂を使うことでバネとしての耐久性を確保したそうです。

旧ダンパーの波板形状から比べると頼りなく見えます。
しかし新型は柔軟性がありながらも剛性を持たせたとか。

強力なマグネットと組み合わせることで旧型比で振動板を更に正確に駆動するらしい。

チューブローディングシステムはまさしく英国流「斜め上」の執念

長いものが新型のツィーターチャンバー「チューブローディング・システム」
代を重ねるほどに伸びていき、今や30cmあります。

だんだん細くなるかたちで先端には穴が空いています。
振動板の背面に掛かる圧力を下げるシステム、原理はホーンの逆です。

これ、ホメる部分じゃない。笑ってあげなきゃいけないところ。

下に持っているのが旧型のチャンバー、明らかに短い。
この違いには笑いました、実に英国人らしい。

「やると決めたからやる」英国人にとって理由なんざどうでもいい

効果はあるだろうけれど、「斜め上」の努力です。こういうことを大真面目にやるのは英国人しかいません。

「やっぱあいつら変だよな」とささやきあってるオーディオ関係者が全世界にいるはずです。

高域の背圧を徹底的に下げるという、他社がやらない独自性。正直そこまでやる必要がないと思われているでしょう。

素材がダイヤモンドどうこう以前に、超高域を再生するとき振動板の振幅なんてごくわずかです。
背圧を抜くことなんてこだわるところじゃない。

でもどこかのタイミングで「やらなければいかんと思っちゃった」のでしょう。

イギリス人にとって理由なんてどうでもいいのです

超高域ユニットの背圧を低くする、なんてことにここまで注力するのはB&Wだけ。スマートにみせてちゃんと往年の頑固さを残しております。

さすが英国流と思うのは、こうと決めたらとことんやること。

個人的には「新型バイオミメティックサスペション」のほうが気になります。

耐入力あるのか・ボキッっとおれるんじゃないか。英国人が鼻の穴ふくらまして自慢する「新素材」はたいがいろくなもんがないので。

新旧ミットレンジユニットのフレーム比較

フレーム(バスケット)も微妙に変わっております。
このあたりから、今回のモデルチェンジは細かい改良がとても多いとわかる。

新型ユニット
旧型ユニット

高精度・高剛性キャビネットで支えた「軽く動く振動板」の音

ツィーターの背圧なんてもう充分下がっているはずなんですが。それにコーンのエッジやダンパーなんてもうやり尽くしているはずでしょうに、なお追い込む。

結果としてハイコンプライアンス(つまりフラフラの振動板)なのに全域で制動がビシッと効いております。

D3比でアルミ材の比率が大幅増・高剛性の理由

このゴツいプレートが801の低板、アルミです。なおツィーターチューブやミッドレンジを支える天板はコノリーレザー張りですが内部はアルミの塊。

今回材質におけるアルミの比率を多くすることは設計方針のひとつだったそうです。木製キャビネットを支える内部のアルミフレームも大きくなっています。

ミッドレンジのキャビネットである「タービンヘッド」も無論アルミ削り出し。

中国から調達している重要部品はアルミ部材関連?

海外プレスはD4発表に関連してさまざまな取材を行っていますが、その中には

  1. コンティニュアムコーンの素材とは
  2. どのように生産されているのか

この2点を追う記事が散見されます。

チューブローディング・システム、タービンヘッドなどチャイナメリット多数

その中には「800D4シリーズでは重要な部材を中国で生産している」というB&Wの正式コメントもある

個人的にはこのアルミ部材関連ではないかと思っておりますが。

今この分野では世界で最も良い生産ラインがある国です。
B&W自身、珠海に生産工場を投資して間もない。

中国生産にはいろいろな印象を持つかたがおられますが、個人的には全く問題ございません。

もし成功すればP7やP9 signatureのようにレザー&クロームの手間の掛かるヘッドホンをリリースしてくれる可能性につながるので。

実際もう16年間もの間、600・700シリーズは完全な中国生産です。B&W珠海のお隣である深圳市には英国ブランドのスピーカー製造拠点の大部分が集まっています。

際立つ804D4のアップグレード・では805は?

さて、

その中でも801D4はフラグシップ、ちょい聞きですからこの機種で滅多なことはいえない。

801D4と804

801D4の良さは判断できない・D3と条件をそろえないと

ともかく全方位でニュートラル、鋭いところがありません。
それでいながらダイナミックさは上記の通り。

旧800D3が良すぎる・マイナーチェンジモデルの難しさ

ではこれが800D3よりいいのかと言われると、ブースではよく分かりませんでした、バランスの判断がつかない。

「相変わらずコンティニュアムコーンはいい反応してるのお」

このぐらいしかいえません。
繰り返しますが会議室です。天井・床・壁、そこいらじゅうが共振している環境です。

自宅で800D3のセッティングを追い込んだオーナーならばうちのほうがいい、と思われるひとが多いでしょう。

逆にいえば低音のパワーは相当なものでありました、ここは注目するべきかもしれない。会議室程度の壁は簡単に共振させます。

804D4の切れ味が印象的だった

実はおかしなことに804D4のほうに惹かれてしまったのです。
アタクシとしては805D4を聴く目的だったのですが。

805D4よりもひかれたクオリティ・旧型から明らかに変化

低音が更に輪郭シャープになり、それでいてしなやか
音も飛びます。

大音量は無論ですがピアニッシモのような小音量に明らかな伸びを感じる

805もレベルは上がっています、この機種はほうぼうで聴いてきたせいかそこはわかった。

ただ繰り返しますが804は旧型よりだいぶ変わりました。

805→804の順でデモが行われたので「後のモデルはよく聴こえる」ってあの法則かなと思ったのですが、再度聴きに行っても明らかに差が開いている。

旧D3シリーズのおすすめは800と805・D4では?

アタクシにとりましてB&Wの旧800D3シリーズ中、805D3はかつて「ギリギリみられる夢」でありました。

なんとかなりそうと思わせる、つまり実売で予算100万ぐらいです。
2駅分歩くとか、コンビニは近寄らないとか。それで気合でローンを組めばと。

今回価格は結構UPしましたが、あくまで「希望の星」ってやつは805かなと思っておりました。

804D4は・200万円のカテゴリー全般での要注目

804D4になると200万円なんですよ、倍。ダブル。
アタシは自分に嘘をつけるほうですが、あれほどわかりやすい音だと自分をごまかしきれない。

今回のモデルチェンジにおいて、804D4は旧モデルに比べ大きくレベルアップしたモデルです。

B&Wの新旧比較だけでなく、200万円というカテゴリーにおいてこのモデルが相当の高音質であることは確かです。

旧800D3シリーズでは事実上800と805中心

これはたぶんそうではないかと思うのですが、

旧D3シリーズでは

800D3そして805D3

この2つがまず候補に上がるモデルだったと思います。

800はハイエンドのリファレンスとして。
そして805は「ギリいけるかも(地獄の72回ローンで)」という現実性と日本の住まいに適した大きさ。

15畳ぐらいまでならこちらのほうが飽和しないので追い込みやすい。

対する802・803・804は上記2機種と比べるとちょっと影が薄かった。

お買い得度では805より804D4かもしれない

今回も801D4と805D4で攻めていくものとばかり。
しかし心が揺れたのは805ではなく804でした、説得力があります。

日本の部屋の大きさに対してはいまだ805にアドバンテージありとするのはとてもベテランな意見だと思います。

でもそれをおいても804D4のこの魅力は。
低音のスケールが大きいだけではない。

D4シリーズにおいて
ことによると805D4よりも

804が「値段に対して」お買い得モデルになったことは確かなようです。

805は売れ筋だった・あえて804を主力にしたのか、それとも?

そしてここが「買い替えを少しだけ待ちたい」とした理由でもあります。
805が悪くなったわけではない、そして804はむしろ良くなった。

しかしそれはB&Wが狙った結果だったのでしょうか。
商品力をコントロールできていないという可能性は皆無でしょうか。

実はD4シリーズ開発期間はBowers and wilkinsの経営が不安定だった時期です。

リストラがある一方で、同社にとっては珍しいほど販売不振の製品が続いた。

「Formation」シリーズの不振が財務破綻を招き、当時の親会社は倒産しております。

B&Wは本来極めて厳格にモデル差をつける会社です、設計力があるからです。
アタクシはかねてからB&Wのハイエンドは少々モデル数が多すぎるのではと感じておりますが、その懸念を感じさせないほどシリーズ内の性能差は明確でした。

今回804は旧型とは変わり過ぎ、しかも805とのの差がつきすぎているような気がします。

もしその設計力に変化が起きており、仮に805がその結果だとすれば、D4の判断は時間をかけたほうが良いと思うのです。

「マイナーチェンジ」・あまりにも旧型と同じデザイン

なおこのカテゴリーでは、というよりオーディオという趣味では「見た目」が大変重視される。

D4を「マイナーチェンジ」とした理由です。

あまりに旧D3とそっくり

繰り返しますが、あまりにもD3とそっくりさんすぎる。

新800D4シリーズは一見して旧型とかたちの見分けがつきません。
色まで似ているとは。

これは少し違うと思った。

「デザインに提案がない」という新モデルはB&Wで珍しい、しかもフラグシップです。

正直ブースも一昨年の既視感がありました、というよりD3そのままです。

D4はあと5年同じカッコでやれるのか

D&Mのプレゼンの責任ではありません、同じかたちのもんが並んでいるのですから。
これまでをみれば

  1. 800Dシリーズが2004年
  2. 800Diamondシリーズ登場が2010年
  3. 800D3シリーズは2016年
  4. そして今回D4登場(2021年)

だいたい5年間隔で新デザインがくる。

しかし今回はD3シリーズとほぼ同じ、結果として同じコンセプトが合計10年続く可能性大です。

D4開発期間に親会社の破産・買収がなければ違ったのでは

なんといいますか、ささやかながらBowers and wilkinsファンでありますので言いたくはないのですが、

もし経営が順調な時期に開発されていれば違ったデザインになったのでは。

と思っています。
前は「Native Design」ですよ、売れっ子のモートンウォレンが関わった。

D4はネイティブデザイン監修かそれともインハウスのデザイナーかどうかの情報ぐらいはほしい。

もしもモートンの元デザインを社内でいじってD4だったりすると最悪だからです。

海外のデザイナーはそういうかたちの「再利用」をすごく嫌う。次の仕事は断られたりします。

デザインは変えなかったのか、それとも「手が回らなかったのか」

しかも800系に関する限り購買層は「カミさんにバレないように同じデザインと色のスピーカーを探した」なんて泣かせる話と無縁です。

デザインを変えないという判断をしたのか、それとも(あまり考えたくありませんが)デザインまでは手がまわらなかったのか。

繰り返しますがオーディオでデザインは重要です、そしてB&Wは常に話題を作ってきました。
ヘッドホンのプレミアム感をみてFocalやSonusfaberほかがモバイルに参入したのです

もし、「D3より音は良くなった」という理由だけならそれは普通のオーディオメーカー。「B&Wブランド」ではない。

実は最近、ヘッドホン・イヤホンカテゴリーでB&Wは精彩を欠くようになってきております。

親会社破産と開発期間が重なっても影響皆無なのか?

D4シリーズの開発期間は多難の時期です

  • EVA Automationが経営権を握り
  • リストラにより人が辞め
  • 鳴り物入りの新製品(Formation series)が失敗
  • そして当のEVA社が破産し他社(Sound United)に買い取られる
  • B&W名義の債務が1億ドルあるらしいことが報じられる

たかだか4年間ほどの短期間にこの全てが起こっております。

D4シリーズの開発期間と完全に重なる。

スタッフがリストラされた影響、そしていつの間にかB&W名義になっていた1億ドルとも言われる債務の内容もよくわかりません。

これをいうのはファンとしてEVA Automationなる会社に腹が立っているから。
知れば知るほど雑にB&Wを引っ掻き回しました、ついでにClasseを潰した

破産して徐々に状況が明らかになるなかで、EVA社は製品開発とよべる実態がなかったという話すらあります。

Sound United社に買い取られたのは僥倖(ぎょうこう)というべきものです。Classeの価値を理解し、福島県で作ろうと考える親会社ですから。

ただもし経営が順調でありましたなら、そもそもEWA Automationに買収されることがなければ、違ったデザイン提案がなされたのではないかとつい考えてしまいます。

Formationは海外で失敗・800D3からの買い替えを少しだけ待つべき理由

アタクシには分不相応なB&Wですが、ここでひとつ感じたことを。

800D4シリーズについてはしばらく世評をみるべきです。半年、できれば1年弱。
もう少し落ち着くまで待ったほうがいい。今は絶賛記事しかありません

D3オーナーや海外の情報など、違った角度の見方が必ず出てくるはずです。
もしD3について評価する新たな情報が出てきたなら、それは注意するべきだと思います。

D4開発期間中の経営混乱は過小評価しないほうがいい

これは「実はD3からあまり変化していない」とか「D4は見送るべきだ」ということをいいたいのではない。どころかとても良い音だと思います。

ただこれは申し上げたい。

周辺情報があまりにもなさすぎる。
しかもレビューは絶賛ばかり。

だから少し時間をおいて衆目の一致するところを待ちましょう。

それだけの話です。

これはこれからリリースされるであろう600/700シリーズにも当てはまると思っております。

今のB&WはD3の頃と違う可能性はあります。

事実一番力を入れていたのはD4開発ではありません、ワイヤレススピーカーです。
そのFormationは海外では不振であり、そのためB&Wの親会社は倒産しました。
しかも中堅スタッフのリストラが行われた。

オーディオ開発は普通の家電とはちょっと違う、人が抜けるという事実はあまり歓迎できない。
それに洋の東西を問わず、製造業って経営が乱れると製造現場が敏感に反応する商売です。

実際に経営が変わり、リストラがあり、

大失敗となったワイヤレススピーカーシステム(Formationシリーズ)に全てを注力する、というかつてない方針が続いた。

Classeを「ワイヤレススピーカーには関係がない」というだけで潰した4年間。
少々異常です。

北米のディーラーにとっては言葉通り寝耳に水の発表だったそうです。「評価があるのになんで止めるんだ」と。

良い/悪いどちらでもいい・「わからない」のが一番困る

極論すれば良いことがあっても悪いことがあってもいいのです、明らかでさえあれば。
一番やっかいなのは、『はっきりした情報がない』こと。

今回のようによくわからないというのが困る。

スピーカーというなかれ、100万円以上となれば小さな法人の売り掛けと同じ、与信に敏感たらざるをえません。

B&Wは誰でも安心して「最高音質」といえる・レビューに注意するべきスピーカー

なまじB&Wが良い音であることも慎重になる理由であります。
B&Wは誰が、どんなにホメ倒しても、どこからも異論が出ません。

素人からライターまで三流レビューが満ち溢れる理由です。

アタシのようなド素人がフェアや店先で「D3よりD4が良い!」といってももっともらしく聞こえる。

実際D3が発表されたときは

最高、至高、究極、異次元、絶対的
音が出た瞬間スピーカーが消えた
衝撃に息を呑んだ

あらゆる美辞麗句が並びました。

D4も同じ批評・レビューが続いております

D3とD4、どちらを主語にしても成立する文章。

Bowers and wilkinsで困るのはこういうところなんです。

現D3オーナーの意見を聞きたい・今一番レビューできる資格がある

逆にD4のあの音を聴いて、欠点を指摘したりD3との差を正確に語るメンタルの強さは(たとえ並べて試聴しても)アタシにはない。

良すぎて「変わった」のか「良くなった」のか言えない。

D4が良くなった、ということは「D3は劣る」といっていることなんです。

ただ半年から1年弱まてばおのずから評価は定まってくる、現D3オーナーにもお感じになることがあるでしょう。
今一番発言する資格のある方々。

アタクシはオーナー側の情報として「自分はD3がいいとしか思えない」という話があったらうれしい。それは傾聴するに足る意見です。

それを待てばいいだけじゃないでしょうか。
せっかくの高い買い物ですし。

メディアは「試聴記事」だけでなく「取材」もしてほしい

ところでオーディオ系の雑誌やメディアについてはカタログ雑誌とか嘘ばかりとかいうひとがおられます。
アタクシはそれは違うのではないかしらと思っているし、むしろオーディオ雑誌の味方をしたいぐらいなので言いづらいのですが、

せめてB&Wのようなメジャーなブランドの経営が変わったときぐらい「取材」して欲しいとは思う。

「つくられた状況」への感度が低い・会社が潰れても一行広告で終わり

試聴記事以外は伝聞ばかり。

突然「EVA Automationに買収されました」「United Sound社に経営が移行しました」とだけ。
一行広告みたいなもんが出て終わり。

驚きましたが、調べてもっとびっくりした。B&W名義の債務が1億ドルになる可能性とか、ただごとではない。

申し上げづらいが情報メディアとしてプロ度が低いです、D&Mホールディングズに迫った人がいないのがわかる。
あの一件はD&Mの皆さんにとっても迷惑な話だったはずです。

クルマ雑誌ですら日産やホンダの内情については書くじゃありませんか。あれも試乗車はメーカー広報から借りて運営してます。でも書く訳です。

オーディオは工業製品・批評と製造情報の両方が欲しい

B&Wの経営が変わったとき、D3のオーナー諸氏は愉快ではなかったと思います。
そういう感情に応えないと。

社長インタビューで「オーディオへの情熱を感じた」だけでは完全に不足です。

主要ブランドぐらい内情を・タンノイは「Gibson後」大変なことに

現在の体制や開発・生産拠点の情報などがとても薄い。本当は情報ソースを持っているはずで、それこそ「ネットにはない情報」です。

アタシも好きのあまりについ誤解するのですが、オーディオは工業製品です。ファインアートや職人制作の家具ではありません。
美術品や芸術作品を語るがごとき批評だけではちょっと残念。

一応申し上げますと試聴記事や批評は大好きです、楽しませてもらっているのにカタログ雑誌なんてあんまりだと本気で思っています。
全部のメーカーを取材してとはいいませんから最大メジャーぐらいは。

近日中にご紹介しますが、TannoyだってGIBSON後の今大変なことになっている。
ほとんど消滅しかかっています。

中核の社員はほぼ辞めてしまい、Fyne Audioを立ち上げました。

何十年もTannoyで記事を書きながら知らんぷりはないです。

知性プラス「蛮勇」要素があってもいいかも

まあしかしD4、「保守的」なことを除けば全くもって隙がない音ではあります。
抑えを効かせた英国流の大人センスそのもの。

クルマと007は新しい英国スタイル・ハードと繊細さの絶妙なバランス

しかしたまーにですが、「知性と蛮勇」とでもいうのか。
スカしているだけじゃなく研ぎ澄まされた荒々しさがもっとあったら面白いかもと最近思い始めてる。

英国のエスタブリッシュメントが理想としたものです、B&Wのエンジニアが知らない話ではない。しかも追いかけるハイエンドブランドは生々しい音を出し始めております。

抑えを効かせた大人英国テイストも、はや20年

クルマでいえば英国は今、

  • アストンマーティン
  • ベントレー

華やかさとストイックな暴力の絶妙なバランスが売りです。

今英国オーディオにそういうものがありません。

Fyne Audioはちょっとストイックです、でも華やかではない。

007もハードで繊細なボンドで見事にキメた。
ダニエルクレイグ第1作目(「カジノロワイヤル」)が2006年です。

現行モデルの事実上初代となる800Dシリーズがリリースされたのが2005年
20年近くが経ちます。

抑えの効いた大人から、そろそろ別のカラーもみてみたいと思うのは贅沢でしょうか。

なお007のイオンプロダクションはダニエルクレイグ起用時に凄まじい酷評を浴びつつも、英国流にスジを通していました。
前の路線はどうあっても変えるつもりだったとか。このスタンス、今回B&Wで発揮して欲しかった。

ノーマル仕様のMARTEN「Parker Quintet」は801D4より安い

MARTENなんて聴くと余計にそう思います。

ハイエンドの音が

「ナチュラル」「ニュートラル」「暖かさ」だけではなくなってきた。

ストイックなワイルドさなど動的な魅力が求められています。

鏡のように映り込む仕上げ

「Parker Quintet Diamond Edition」が640万円です。

あの音と仕上げ、怖いです。
YGやMAGICOと正面から激突ですから。

801D4が520万円で国内価格はカブりはじめています。

ノーマル仕様のParker Quintetならなんと801D4より安い、価格設定の難しさです。

それに今までB&Wに対して持ったことのない興味ですが、

805D4が人気になるのか、それとも他機種が思わぬ人気を呼ぶのか。

ちょっと見てみたい気持ちであります。

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